日本vsキューバ
打線組み換え成功!継投策も冴え、キューバを破る!
6回途中まで1失点の好投を見せた山下輝(木更津総合)
スーパーラウンド進出へ負けられない一戦。今日の日本代表はいつも以上に気合が入っていた。選手はもちろんだが、特に指導者スタッフも昨日よりも声を出して選手たちを盛り立てていた。連敗を阻止したい試合。先発のマウンドに登ったのは山下輝(木更津総合)だった。また打撃好調の小園 海斗(報徳学園)。アメリカ戦で好リードを見せた古賀悠斗(福岡大大濠)が先発マスクをかぶった。
山下は立ち上がりから142キロのストレートと120キロ前後。いきなり四球、セーフティ安打、犠打で無死一、二塁。さらに犠打で一死二、三塁となって、4番を133キロのフォークで空振り三振。そのあと、5番はあるかしたが、6番はスライダーで左飛。
キューバの先発はCHI MONTOY。179センチ80キロと恵まれた体格をした右の本格派。左足を巻き込んでから、一気に振り下ろすストレートは、常時135キロ~140キロを計測。120キロ前後のスライダーも悪くない。オーソドックスな投手で、将来が楽しみな右腕だが、前日のアメリカの投手陣と比べるとやはり5キロ前後落ちる。今日の日本打線はいくぶん、余裕があるように感じられた。
1回裏、今大会、左方向への打撃を磨いた藤原 恭大(大阪桐蔭)がいきなり二塁打。そして2番小園 海斗(報徳学園)が振り逃げで出塁。3番安田 尚憲(履正社)の場面でバッテリーミスで先制。安田もスライダーを捉え右前安打。いくぶん余裕があるように感じた。さらに清宮幸太郎(早稲田実業)の犠飛で2対0と2点を先制する。
しかし3回表、一死一、二塁から4番A.ファドラガスに初球ストレートを捉えられ、ライトフェンス直撃の二塁打でいきなり同点。ファドラガスは攻守の要。183センチ95キロと恵まれた体格から鋭い打球を連発する強打者だが、山下のストレートをいとも簡単にとらえてライトフェンスへ打った一撃は強烈だった。
だが同点にされても今日の日本は勢いがある。1番藤原が四球で出塁すると、2番小園の場面でバッテリーミスで二塁へ。小園はレフト前安打。小園は送球間へ二塁に進み、無死二、三塁で安田を迎えた。ここで満塁策。清宮の犠飛で勝ち越すと、5番櫻井 周斗(日大三)にもタイムリーが飛び出し、4対2。
山下は、6回途中まで2失点に抑える好投。最速は140キロ前後と決して速くはなかったが、スライダー、ツーシーム、カーブといずれも精度は高く、走者を出しても動じることなく、投げ込んだ。
一死一、二塁の場面でマウンドに登ったのは前日のアメリカ戦で好投を見せた田浦 文丸(秀岳館)だ。田浦は常時130キロ後半のストレートとチェンジアップとスライダーをうまく織り交ぜ、二者連続三振でピンチを切り抜けると、6回裏、一死から7番古賀悠斗(福岡大大濠)が右前安打。8番丸山和郁(前橋育英)、9番西巻賢二(仙台育英)が連続でセーフティバントを決め、一死満塁から1番藤原の併殺崩れと2番小園が痛烈な左前適時打を放ち、6対2と4点差をつけた。
そして8回裏、二死一、二塁から2番小園が中前適時打で7対2と点差を広げた。
9回表、日本は3番手に清水達也(花咲徳栄)が登板。清水は、雨の中、厳しいマウンドとなり、一死一、二塁のピンチを招いたが、4番Fadragaを二ゴロ併殺に打ち取り、試合終了。キューバを破り、対戦成績を2勝1敗とした。
投手陣は好調。打線も1番藤原、2番小園の2人はしっかりと持ち味を出している。気になったのは、清宮が調子を完全に崩していること。「悪い自分が出ている」と語るように、悪い時の清宮は腰だけではなく、手首の開きが早くなってしまい、良い時のボールを手元まで呼び込む打撃ができていないということ。ここまで10打数1安打と思うような打撃ができていない。やはり清宮が打たないとチームはのらない。本塁打とまではいかなくても犠飛以外で点を還せる打撃をしたいところだろう。
残り全勝で2位通過でスーパーラウンド進出を果たすことができるか、注目である。
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