試合レポート

総和工vs岩瀬

2016.09.12

総和工 2回までに9得点で勝負を決め県大会出場へ

総和工vs岩瀬 | 高校野球ドットコム

総和工先発・大竹凌大

 県西地区代表決定戦は、シードの総和工岩瀬の対戦。総和工は8月の県西選抜大会で明野筑波をともに二桁得点のコールドで下してブロック優勝を果たし、シード権を獲得。総和工は夏の1回戦・日立工戦でも登板した左腕の大竹凌大と右腕の長谷川大樹という左右の本格派を2枚を擁し投手力が高い。岩瀬は初戦で真壁・石下紫峰・三和の連合チームに7対4で勝利し、代表決定戦に駒を進めた。

先攻・岩瀬の先発は背番号7の左腕・中里、後攻・総和工の先発は背番号1の左腕・大竹凌大(2年、常総シニア)だ。

 1回裏、岩瀬の先発・中里が先頭打者に対し、明らかなボール球でストレートの四球を出すと、岩瀬ベンチはすぐにピッチャーを背番号6の右サイドスロー・石井康平(2年、下館中)にチェンジする。しかし、石井もピリッとしない。総和工は連続四球で無死満塁とすると、4番・桜井涼(1年、常総シニア)のレフト前ヒットで2点を先制する。さらにボークと四球で無死満塁から、7番上竹亮輔(2年、三和東中)のセンター前ヒットで2点を追加し、この回、4点を奪う。

 2回表、岩瀬が反撃のチャンスを迎える。一死から5番・荒山竜人(2年、桃山中)が四球で出塁し、送って二死二塁。続く7番・吉川真大(2年、常澄中)の強烈なレフト前ヒットで二走・荒山が本塁に突入するが、レフト・功刀拓己(1年、常総シニア)の好返球の前にタッチアウトとなり得点は奪えない。

 2回裏、総和工は攻撃の手を緩めない。一死から1番・霜田成也(2年、常総シニア)が四球で出塁し、2番・諏訪智也(1年、常総シニア)、3番・瀬田勝徳(2年、常総シニア)の連続スリーベースで2点を追加する。さらに四球で一死一、三塁からボークで1点。二死二塁から、内野のエラーで1点。二死一塁から7番・上竹のレフトへのツーベースで1点を追加し、一挙に5点を奪う。

 3回表、岩瀬は先頭の8番・中里が四球で出塁。一死一塁とし、1番・石井がライト前にエンドランを成功させるが、一走・中里は二塁ストップでチャンスを広げられない。一死一、二塁から2番・花木祐太(2年、桃山中)はレフトフライ。3番・小林竜也(2年、桜川中)は空振り三振に倒れ、スコアリングポジションにランナーを進めるも、得点が奪えない。

 3回裏、岩瀬は3番手に背番号1の右腕・田山晴陽(2年、岩瀬西中)をマウンドへ送る。総和工は二死から2番・諏訪がレフトへのツーベースで出塁し、内野エラーで二死一、三塁とするが、4番・桜井はライトフライに倒れる。


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石井康平(岩瀬)

 4回表、総和工は2番手に背番号10の右腕・長谷川大樹(2年、岩井中)を送る。岩瀬は先頭の4番・田山が真ん中高めのストレートをライトオーバーツーベースとし無死二塁のチャンスを作る。続く5番・荒山、6番・杉山も続けてジャストミートするが外野手正面のライナーに倒れ得点は奪えない。

 4回裏、総和工は5番・大竹が内野手のエラーで出塁し、犠打と盗塁、四球などで二死満塁から、ワイルドピッチで1点を追加しその差を10点とする。後がない岩瀬は5回表、二死から1番・石井が四球で出塁すると、なんと初球に意表を突いて盗塁を成功させる。しかしその後、二塁牽制に刺されてスリーアウト。

総和工が5回コールドで岩瀬を下し、県大会進出を決めた。

 総和工先発の左腕・大竹凌大は、180センチ82キロの恵体を捻りこんで投げ込むダイナミックなフォームの本格派だ。ストレートの球速は目測で130キロ前後だが、リリースポイントが打者よりでボールにキレがある。しかしながら、この日は3イニングで毎回四球を与えており、それ以外の打者に対してもコントロールにバラつきが目立つ、いわゆる「荒れ球」である。県大会の注目投手の一人であることは間違いない希少な左の本格派で、ツボにはまれば打ちづらいピッチャーではあるが、欲を言えばコンロールの精度をもう数段上げることを期待したい。

 一方、打線は常総シニア出身の選手が並び、いずれの打者もスイングが鋭い。この打線にして特に、1年生ながら夏から中軸を担っていた桜井涼は楽しみな存在だ。

 敗れた岩瀬は走塁ミスが目立ったので、そこを改善できれば取りこぼしが防げそうだ。投手陣は4イニングで与四球8個。打たれるのは仕方ないが、ここにも改善の余地がある。打者では4番・田山晴陽が異彩を放っていた。2打席とも強い踏み込みから美しいスイングでボールを捉え、バットに乗せて運んだ。総和工の両投手を苦にしておらず、今後も注目したい打者だ。

(取材・写真=伊達 康

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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