石田 隼都選手 (東海大相模)
短評
レポートから抜粋 東海大甲府は終盤に追い上げてきたが、この男が流れを食い止めた。東海大相模のエース・石田隼都だ。最速142キロで、高速テンポが最大の武器だったが、この試合では真っすぐでレベルアップした姿を見せた。 9回裏に自己最速となる146キロを計測。「この冬は下半身を中心としたウエイトトレーニング。さらにはランニングを中心に練習に取り組んできた」という筋力アップが、球速にも還元された。実際に対戦した東海大甲府・木下 凌佑も「ずっと課題にしていた速球を打ち崩せなかった」と語れば、4番・久井 竣也も「真っすぐのキレが秋よりもレベルアップしていた」と進化した真っすぐに圧倒されたことを語る。 またこの試合では。変化球は120キロ中盤の切れ味鋭いスライダー、チェンジアップなどを混ぜたが、ストレートの威力が増したことで、空振りが増えたことも石田にとっては大きなプラスだろう。 そして、フォームの変化も大きい。ランナーがいなければワインドアップで動き出していた石田だが、この日はセットポジション。「足の上げ方を安定させるため」だというセットポジションだが、こうした変化も石田の安定した投球に繋がった。 緊急事態宣言の影響で練習試合は少なかった東海大相模。石田も実戦登板の機会が減ったが、「スピードが上がっているのがわかったので、成長の手ごたえは感じました」と甲子園の舞台で手ごたえを感じ取った。 「抑えられて良かったですが、ボールが浮いてしまってテンポが良くなかったです」と課題を口にしたが、まずは2回戦へ勝ち進むことが出来た。次戦以降も東海大甲府戦のような投球を見せられるか注目したい。 <初戦の投球成績> 3回 52球 打者10人 ストレート:41球(78.8%) 平均球速:139.5キロ 最速146キロ
更新日時:2021.03.22
寸評
今大会屈指の実力派左腕。昨秋は48.2回で55奪三振、防御率1.29と素晴らしい成績を収めている。 昨秋の時点でストレートの球速は140キロ前後で、突出とした球速はない。しかし角度があって、予想以上に打ちにくさがある。そしてなんといっても厄介なのが曲がりが鋭いスライダー。打者の手元で鋭く落ちて、高確率で空振りを奪うことができる。 また打ちにくさを生んでいるのは高速の投球フォームだろう。高速テンポで話題となった石田だが、投球フォームの一連の流れが速い。打ちにくさを生むために投球フォームにワンテンポ間を生んだり、プロ野球投手でも二段モーションにするぐらい、タイミングを崩す。しかし石田は一連の流れで「間」をあえて作らず、そのまま投げるのだ。この一連の動作が素早く、真後ろから見ると、腕の振りが全く見えない。相当打ちにくさがあるのではないだろうか。 球速はドラフト候補の左腕として並みかもしれないが、技術がかなり優れている。そしてさらに球速が伸びる予感がある。センバツではどんな投球を見せてくれるのか注目をしていきたい。
更新日時:2021.03.20
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