佐藤 勇基選手 (中京大中京)

寸評

　佐藤秀樹（中日チーフ投手コーチ）氏の息子として有名な選手。甲子園3回戦ではオコエ瑠偉に大飛球を捕られてしまったが、ヒーローに成り損ねたとはいえ、攻守ともにバランスが取れた好選手として印象を残してくれた。 　じっくりと打撃を見ると、この選手はかなり打撃技術が高い。スクエアスタンスで構えた姿には雰囲気があり、腰のすわりも良く、両目でしっかりと投手を見据えることができていて、かなりバランスの取れた構えをしている。 　投手の足が下りたところから始動を仕掛けていき、ゆったりと足を上げていきながら、間合いを測る。トップの動きはやや浅いが、グリップの位置が奥に入りすぎないため、インコースも難なくさばける形となっている。アッパースイングなように見えるが、肩口から振りだして、ヘッドが遠回りしない形でボールを捉えることができるため、振り遅れしないスイングができる。外国人打者の打法を参考にしているのかというぐらい、綺麗なスイング軌道だ。軌道に合わせるのが非常に上手く、高確率で安打にすることができる。 　遊撃手としての動きは実に軽快で、打球に入るまでが早く、丁寧にボールをさばいている。スローイングも力強く、守備力はかなり高いものがある選手といえるだろう。 　攻守ともに優れた遊撃手で、今年の愛知を代表する遊撃手として注目されるだろう。ぜひ攻守で暴れまわってもらいたい。