龍谷大平安が5年ぶりの秋王者に輝く



3安打2打点の活躍を見せた辻村大我(龍谷大平安)

 龍谷大平安が5年ぶりに秋の京都王者に輝いた。

 先発を任されたのは公式戦初先発となった背番号20の左腕・松岡 夢貴(2年)。初回に適時打を浴びて先制点を献上するが、右打者のインコースを大胆に突く投球で、乙訓に追加点を与えない。

 打線は2回表、一死一、三塁から8番・南野 倫平(1年)の右前適時打で同点に追いつくと、3回表には一死一、二塁から6番・辻村 大我(1年)が左前適時打を放ち、勝ち越しに成功した。

 これで試合の流れを掴んだ龍谷大平安は4回表にも4番・高田 英治(2年)と辻村の適時打で2点を追加。6回表にも相手の失策で1点を加え、常に試合の主導権を握り続けた。

 悪い流れを変えたい乙訓は6回裏に連打で一死一、三塁のチャンスを作り、松岡をマウンドから引きずり降ろす。ここで8番・北見 隆侑(2年)は三振に倒れるが、見事に重盗を成功させて三塁走者の荒木大輝(2年)が生還。足技で1点をもぎ取った。

 しかし、それ以降はリリーフした林 慎之介(2年)が安定した投球を見せ、リードを守り切った龍谷大平安が勝利。市岡 奏馬(現明大)や小川 晃太朗(現同大)らを擁した2015年以来となる秋季大会優勝を飾った。

 6月に全体練習を再開してから夏の独自大会を終えるまで3年生メインで練習していたこともあり、「僕は間に合わないと思っていた」と原田英彦監督は秋の戦いに不安を感じていた。休校期間を埋めるために例年より夏休みが短くなった影響で練習試合も6校ほどとしか組むことができず、実戦不足のまま大会を迎えていた。

 不安要素が多い中でも絶対的エース不在ながら複数の投手で繋ぎ、打っても6試合で63得点と高い攻撃力を見せつけた。「芯になるピッチャーもいなかったので、打たないと勝てないと言ってきました。短い練習の中でよく打ったと思います」と原田監督は打撃陣の奮闘を讃えた。

 昨年からレギュラーを務める選手がほとんどいない中で優勝を勝ち取ったのは、さすが名門といったところだろう。強豪揃いの近畿大会でも堂々たる戦いを繰り広げてくれることを期待したい。

(記事=馬場 遼)

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