横浜エース・杉山遙希、名将の指導で磨いた直球で慶応義塾打線を封じる

杉山 遙希(横浜)
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<神奈川県高校野球秋季県大会:横浜6-3慶応義塾>◇27日◇決勝◇保土ヶ谷
横浜が中盤の集中打で慶應義塾から主導権を奪い返し、夏に続き2季連続、秋季大会に限っては2018年以来となる4年ぶりの頂点に輝いた。
関東大会への出場が決まっているなかでの決勝戦。今後を見据えて、どんな起用になるか気になったが、横浜はエース・杉山 遙希投手(2年)を起用した。準決勝・横浜創学館戦では「7割くらいです」と本来の投球ではなく、慶應義塾戦でも立ち上がりに苦しんだ。
直球の制球が定まらず、得意球であるスライダーを低めに決めても、慶應義塾の各打者に見極められ、少し浮いてくればうまく拾われた。慶應義塾の主将・大村 昊澄内野手(2年)いわく、「外のストレートと、浮いてきたスライダーを狙う」という杉山対策に、ハマってしまった形だった。
2回までで被安打7、失点3と打ち込まれているといっていい内容だ。本人も「『いい球を投げよう』と思って5回までは気持ちが先走ってしまい、体がついてきておらず、本来の投球ではなかった」と反省しきり。何とか抑えていたものの、感触は悪かった。
その原因は下半身にある。
自身2度の甲子園を経験し、「ストレートが全国の舞台では通じなかった。わかっていても当たらないような勢いあるストレートを投げる」ことを、次への課題に掲げた。そのために下半身の使い方を見直してきた。
「(元監督の)渡辺(元智)さんにも指導してもらい、体重移動の時間を長くして、いかに体の開きを抑えられるか。ここを大事にしていました」
気持ちが先走ったことで、取り組んできた下半身をしっかり使えず、上半身に頼った力任せの投球をしてしまったことで、指先にかかった直球を投げ込むことができなかった。杉山本人も「指先のかかりが悪かった」と察することができるほど、力を加えることができていなかった。
ただ、リードをもらった6回以降からは「普段通りのストレートの感覚が戻ってきたので、ストレートでも押せるようになってきた」と、見直してきた下半身を使った投球で勢いが戻ってきたことで、直球主体の投球で慶應義塾打線を抑えることができた。
後半は直球の勢いが違って、6回以降は被安打1。慶應義塾打線が差し込まれるなど打ちあぐねており、前半打ち込まれた杉山の姿はマウンドになかった。
特に8回の先頭で迎えた慶應義塾7番・清原 勝児内野手には、内角への直球で見逃し三振を奪った。清原も「手が出ませんでした」と、まさに杉山が目指していた勢いある直球の1つだったといっていい。
神奈川1位で関東大会へ挑む。センバツに向けて関東の猛者と戦うことになるが「今日のような投球では関東大会は勝てないので、序盤から自分の投球ができるように修正したい」と3週間後の関東大会に向けて、気を引き締めた。3度目の全国の舞台へ。最速140キロ左腕は優勝に浮かれることなく、足元を見直して関東大会に挑む。