神奈川の公立にいたプロ注目右腕 5割の力配分で5回7奪三振、無失点の快投

澤田寛太(大師)
<第104回全国高校野球選手権神奈川大会:大師10-0寒川(5回コールド)>◇11日◇1回戦◇大和スタジアム
今年の神奈川の公立校でプロ注目右腕として注目されたのが、大師の澤田 寛太投手(3年)だ。140キロ後半の速球を投げ込み、練習試合でも多くの奪三振を記録したことで評判となった。186センチ、86キロの体格はグラウンドに立つだけでも存在感がある。
スカウトや偵察隊も多く、注目度の高さが伺えた。走者がいないところからでもセットポジションから始動し、左足をゆったりと上げていきながら、真上から振り下ろすフォームが特徴的。偵察隊のスピードガンでも、135キロ前後だった。最速147キロと言われている中、この球速にとどまったのは理由がある。昨年のオフシーズンで肩を痛め、治療を行い、春季大会にも登板したものの、調子が上がらず、トレーナーの指導の下、6月から登板復帰。この夏の大会に合わせてきた。
この日の直球は5割前後の力を入れて投げたという。また変化球はスライダー、カーブ、フォーク、カットボール、ツーシーム、シンカーを投げることができるが、この日はスライダー、カーブ、カットボール、シンカー系統の変化球に終始した。
澤田が良いのは変化球の制球力が高いこと。
「自分は変化球でカウントが取れるのが強みです」と語るように、難なく変化球主体でカウントを稼ぐことができる器用さがある。結果として5回を投げて、60球、7奪三振、無四球と抜群の制球力を発揮した。
「ギアをさらに上げて、臨んでいきたいです」と意気込んだ澤田。この日にピークに達することができれば、もっと評価が上がる可能性もある。制球力も良い大型右腕なだけに、さらなる快投に期待だ。
(取材=河嶋 宗一)