「本塁打を狙う選手は誰一人いない」村田イズム浸透の横浜に漂う復権の予感



豪快な本塁打を放った小野勝利選手(横浜)

 13日、サーティーフォー相模原球場で第103回全国高等学校野球選手権神奈川大会2回戦、2試合が行われ、第1試合では横浜足柄が対戦。試合は、序盤から横浜打線が力を見せて、5回コールドで3回戦進出を決めた。

 序盤からマシンガンのような攻撃が続いた。
 まずは初回、この日1番に抜擢された1年生の緒方 漣がいきなりライトへの三塁打で出塁すると、相手のワイルドピッチで早くも先制点を挙げる。その後、一死二塁のチャンスから4番・立花 祥希が右前適時打を放ち追加点を挙げると、そこから4本のタイムリーなどで一挙8得点を挙げた。

 どの打者もコースに逆らわず、強くコンパクトにバットを出す姿が目立ち、1点を着実に積み重ねた。初回にいきなりビックイニングを作った横浜は、2回以降も4本の本塁打などで得点を重ね、25安打31得点で5回コールド勝ち。大勝で3回戦進出を決めた。

 試合後、村田監督は選手たちの徹底力を称え、イズム浸透に手応えを口にする。

「ホームランはおまけですね。狙ってホームランを打つとか私は嫌いですが、誰一人狙って大きなスイングで打つバッターはいませんでした。それは練習してきた成果が出せたと思います。1番の緒方もコースに逆らわずに打って、そこから打線が繋がりました」

 また浸透してきたのは、打撃だけではない。
 結果を残すためには「練習あるのみ」と語る村田監督だが、その野球への真摯な向き合い方も選手たち一人ひとりの意識に根付いてきた。

 2回に本塁打を放った小野 勝利選手は、入学当初は高校野球のレベルの高さに全くついていけず大きな壁にぶつかっていた。だが、「1年生でも練習量はチーム1」と村田監督も認めるほどの努力でベンチ入りを掴み取り、公式戦の舞台での本塁打に繋げた。

「壁にぶつかっても負けずに練習して、自信を持って送り出しました。初戦に出す価値のある選手であり、横浜を背負っていく選手だと思っています。また小野だけで無く、練習することがチーム全体に良い形で植え付けられてきました」

 最終回には148キロ左腕の金井 慎之介が登板し、打者3人に対して無安打2奪三振と完璧な投球を見せる。順調な調整ぶりを見せ、村田監督も大きな期待を寄せる。
「春は私が責任を持って起用し、あのような形で崩れてしまいましたが、どんな状況でも自分の投球ができると期待しています」

 イズムが浸透し、また役者も揃いつつある横浜。次の戦いにも期待だ。

(文=栗崎 祐太朗)

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