粘り切れなかった桐光投手陣、打線も武冨陸にあと一押しが出来ず

 東海大相模横浜、そして桐光学園の「3強」が優勝争いの中心と見られていた今大会。
 だが、準々決勝では横浜相模原に逆転負けを喫して大きな波乱が起きると、この試合でも決勝を前に桐光学園が姿を消すこととなった。

 桐光学園と対戦したのは、好投手・武富 陸を中心に勝ち上がってきた日大藤沢。ここまで武冨の活躍ばかりが目立っていた日大藤沢だが、元々打線の力も決して低くはない。この試合ではそのことを強く示した。

 まずは1回表、2番・菅波靖哉のヒットから一死一、三塁のチャンスを作ると、4番の姫木 陸斗のタイムリーで日大藤沢がいきなり先制点を挙げる。さらに3回、今度は二死一、三塁のチャンスを作ると、今度は5番・菊地隼輔の当たりが相手のエラーを誘い、三塁ランナーが生還。前半に2点を挙げた日大藤沢が、試合の流れを掴んだ状態で後半戦へと突入した。

 だが、桐光学園もこのまま黙っているような大人しいチームではない。ここまでの4試合で53得点を叩き出している打線が、後半に入ると力を見せ始める。
 6回裏、一死一塁の場面から3番・馬込がライト線を破るタイムリースリーベースヒットを放って1点を返すと、その後二死三塁から5番・唐橋悠太が詰まりながらもライト前にタイムリーを放ち同点に。中軸の勝負強い一打で、桐光学園が試合を振り出しに戻した。

 これで試合展開は一気にわからなくなったが、それでもこの試合では日大藤沢打線が非常に活発であった。
 直後の7回表、桐光学園は6回からマウンドに登った谷村 然を攻めて無死満塁のチャンスを作ると、4番の姫木が犠牲フライを放って再び日大藤沢が勝ち越しに成功する。その後もさらに満塁から、6番・森田克がタイムリーツーベースを放ってリードを3点に広げると、8回には核弾頭の牧原 巧汰が今大会3本目となるダメ押しのツーランホームランを放つ。
 リードを5点に広げた日大藤沢が、終盤にして試合の主導権を握った。

 諦めない桐光学園も8回に3点を返す粘りを見せるが、5点の差は詰めることが出来ず、結局試合は7対5で日大藤沢が勝利した。

 桐光学園は、鈴木 智也馬込 悠、そしてエースで4番の安達 壮汰など、とにかくバットが振れる選手が並び、好投手・武冨を必死に攻めたが、投手陣が粘り切れずに相手に流れを持っていかれた。

 中盤に打ち込まれた3年生右腕の谷村、そして先発の役割を果たせなかった安達にとっては非常に悔いの残る試合となったはずだ。
 特に安達はまだ2年生、この秋からはドラフト候補として注目を浴びることになる。この負けを是非次に活かして欲しい。

(文=栗崎 祐太朗)