3年生のために頑張る!・徳之島



徳之島・嶺本

<第151回九州地区高校野球大会鹿児島県予選:徳之島4-1鹿児島水産>◇22日◇1回戦◇平和リース

 徳之島は3回裏、1死から8番・幸大翔(1年)が右越え二塁打で初安打を放ち、三盗を決め、敵失で先制した。

 5回には2死三塁で9番・町田幸正(2年)が右越え二塁打を放って2点目を挙げた。

 3回から5回は得点機をものにできなかった鹿児島水産は6回表、中前打で出塁した1番・小屋敷唯我(1年)が暴投で三塁に進塁。三塁悪送球で生還し1点を返した。

 その裏、徳之島は1死から連打で好機を作り、内野ゴロと6番・郷泰輝(2年)の中前適時打で点差を3点に広げた。その後、追加点は奪えなかったが、押し気味に試合を進め、8回以降は力投のエース大澤康誠(2年)の後をリリーフした右腕・嶺本倫太郎(1年)が追加点を与えず、最後は併殺で切り抜けて勝利した。

 選手の動きは「島にいるときとは別人のよう」に地頭所眞人監督は感じたという。打てる球を思い切り振り切れない。処理できる球を処理しきれない。そんな徳之島だったが、接戦をものにして初戦突破した。

 県大会の勝利は3年前の秋以来だった。この間、ほとんどの大会で1点差の惜敗が続いた。地区大会では大島に勝って優勝できる実力はあるのに、鴨池(鹿児島市)では持てる力を発揮できない。そんな悪循環を断ち切れなかった。「勝ちを経験していない自信のなさ」(地頭所監督)はこの試合でも度々見られた。

 それでも勝利をつかめたのは、先に先制し追加点を挙げ、3回から5回のピンチを、エース大澤を中心に無失点で切り抜けたのが大きい。3回は自らのけん制悪送球で広げたピンチを捕手・上原龍樹(1年)の二塁好送球で刺してしのいだ。4回は犠飛で同点と思われたが、三塁手・幸がよく見ていて離塁が早かったとアピールアウトで併殺となった。

 「野手が頑張って守ってくれていたので、その気持ちに応えたかった」と大澤。5回は上原の悪送球で二塁まで進めてしまったが「上原のサインがバッチリはまった」と大澤が2死満塁から意表を突く二塁けん制で刺して事なきを得た。

 6回に1点を失ったが、硬さがとれた後半は思い切りの良い打撃、足を使った徳之島らしさの片鱗をのぞかせることはできた。「一つ勝てば自信になるはず」と地頭所監督は期待する。これまでの「呪縛」から解放された徳之島。校歌を歌いながら「県大会で1度も勝てなかった3年生のために、頑張ろうと思ってやってきて嬉しかった」と大澤。これからも「一戦一戦を大事に戦う」気持ちにブレはない。

(取材=政 純一郎

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