「みんなの変化」を実感・大島



大島・大野(奄美新聞提供)

<第104回全国高校野球選手権鹿児島大会:大島10-1薩南工>◇2日◇1回戦◇平和リース

 大島は3回表、1死満塁から押し出しで先制し、4番・西田 心太朗捕手(3年)の中前適時打で計3点を先取した。

 薩南工は5回裏にエラーで1点を返す。

 6回表、大島は2番・大野 稼頭央投手(3年)、3番・前山 龍之助内野手(3年)が連打し、相手の守備が乱れて追加点。4番・西田が左越え三塁打、5番・中 優斗外野手(3年)が犠牲フライで続く。

 7、8回も攻撃の手を緩めず、追加点を重ねた。エース大野は被安打5、8奪三振、1失点で完投勝ちだった。

 第1シードの大島だが、鴨池での勝利は昨年11月の九州大会準決勝の有田工(佐賀)戦以来、半年以上遠ざかっていた。「長かったです」と主将の武田 涼雅内野手(3年)。「NHK旗で負けてから、みんなが変化した」のを感じられたのが何よりうれしかった。

 エース大野が抑え、4番・西田が打ち、投打の主軸の活躍に刺激されたかのように、チーム全員が躍動した。

 4番・西田は甲子園でも結果を出せず、春の九州大会以降は「スイングするたびに腰痛がする」ことが気になり、「身体の前で大きく振る」ことができず、春の九州大会初戦の小林西(宮崎)戦、NHK旗初戦の鹿児島戦はスタメンから外れていた。

 主砲の仕事ができず、チームも結果を残せなかった中で、西田も試行錯誤の日々が続いた。ボックスの一番前に出て、ボックスの角に左足を合わせ、右足を後ろに引いて、バックスイングをとらず、直球にも変化球にも対応するノーステップ打法に活路を見出した。

 3回の2点適時打と、6回の6点目となる左中間を深々と破る三塁打は、いずれも追い込まれてから放ったものだ。力むよりも球の軌道に合わせて振り抜いたことで、3打点を稼ぎ、久々に公式戦で4番の仕事をやってのけることができた。

 武田主将が感じた「みんなの変化」は終盤、気を緩めることなく得点を重ねたことだ。甲子園に出たことで満足し、どこかに置き忘れてきた「野球に対するひたむきさ」を全員が取り戻せたことが何よりの収穫だった。

(取材=政 純一郎

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