尽誠学園「芯の強さ」で難敵・三本松を下す!



尽誠学園5回裏一死一・二塁から4番・宝来 真己(3年・三塁手)が右中間2点適時打を放つ

 昨秋の県王者。かつ7月5日の練習試合では2対13と大敗していた尽誠学園との大一番。ここで三本松・日下 広太監督は、冬から「こんなことも考えています」と話していた戦術の実行に打って出た。高校通算44本塁打の主砲・多田 聖一郎(3年・右投左打・171センチ83キロ・東かがわリトルシニア出身)のテンポのよさにかけた「2番・先発投手」起用。尽誠学園ですら選手・指揮官共に「全く予想していなかった」奇襲作戦であった。

 とはいえ、尽誠学園に驚きはあっても動揺はなし。そして彼らは三本松の弱みを着実に突いていく。象徴的だったのが4本奪ったセーフティーバントからの内野安打。

 うち2本を奪った7番・福島 武颯士(2年・左翼手・右投右打・174センチ69キロ・東大阪布施ボーイズ<大阪>出身)はその理由を試合後にこう明かす。「シートノックの時から内野手には乱れがあったので、『セーフティーバントが有効だ』ということはみんなで確認し合っていました」。

 甲子園交流試合での智辯和歌山(和歌山)撃破を本気で狙い、その準備を着々整える中で「ぶっちぎりの優勝」をミッションとして掲げる彼らの意識はすでに香川県から全国レベルに達しようとしていることが、このような有効な小技、「4番と思わず打席に入って、初球から振っていくことを意識した」宝来 真己(3年・三塁手・182センチ85キロ・右投右打・小豆島町立小豆島中出身)の3安打3打点をはじめとする14安打8得点。

 そして7月6日の練習試合で出した自己最速140キロにあと1キロと迫ったストレートを筆頭に、昨秋から全ての球速アベレージが5キロ上がったエース・村上 侑希斗(3年・左投左打・173センチ70キロ・南部リトルシニア<和歌山>出身)の8回120球5安打3四死球9奪三振1失点という数字以上に「ストレート中心の配球を仕留められなかった」(三本松・多田)投球内容からも見て取れる。

 8対1。難敵相手の8回コールド勝ち。それでも西村監督は手綱を緩めることはない。7月20日に3年生部員とスタッフ全員の投票で決めたベンチ入り20名についても「これから1週間の練習を見て(エントリーメンバー38名から20名が選べる)入れ替えはすると選手たちには言ってあります」と明言。

 これからもこの試合で三塁コーチャーとしての試合観と練習姿勢を買われ「5番・一塁手」で5打席3打数1安打1犠飛1四球2打点と結果を出した幹 大和(3年・右投左打・178センチ73キロ・兵庫夢前ヤング<兵庫>出身)のような新星が出現する可能性は十分ありそうだ。

 探究と競争。そして闘志。三本松相手に示したこのような「芯の強さ」がある限り、今大会の優勝が本命視される第1シードを崩すのは非常に困難と言い切れるだろう。

(レポート=寺下 友徳