西野 健太郎選手 (京都成章)
寸評
選抜大会では、試合巧者の静清高校の前に、10安打・9失点をきして降板した 西野 健太郎。元来の微妙なボールの出し入れを活かせないまま、甲子園をあとにした。京都を代表する好投手である西野が、この夏全国を目指すには、いかなる課題を甲子園に残したのか、もう一度振り返ってみたい。 (投球内容) 球速は、常時130キロ~135キロ程度と、驚くような球威・球速はない。彼の持ち味は、右打者の外角一般にストレートやスライダーを集めて、その微妙なところでのボール出し入れが元来の持ち味。ただ選抜では、高めに甘く入るスライダーを中心に、静清打線に打ち込まれた。ボールを両サイドに散らせつつ、カーブ・スライダー・チェンジアップなどの変化球を織り交ぜて来る。特に左打者には、大きく沈むチェンジアップが武器。 牽制もあまり鋭くなく、フィールディングも平均的。クィックタイムも1.2秒前後と基準レベルぐらい。ボールを両サイドに散らし変化球を織り交ぜ、打たせて取るのが身上。ただ甲子園では、その投球のリズムが掴めないまま甲子園をあとにした。 (投球フォーム) 彼は、元来微妙な制球力で勝負するタイプなのに、意外に投球動作に課題を残す。特に抱えていたグラブが最後に後ろに抜け気味なので、両サイドの制球が甘くなることがある。また足の甲の押しつけが浅いので、どうしてもボールが高めに浮きやすいのだ。 また着地までの粘りがないので、どうしても打者からはタイミングが合わせやすい。まずは、こういった動作に意識を置くことで、より実戦的な投球ができる可能性が広がるはず。今のままいったら、夏の京都予選を勝ち抜いて行くことは厳しいだろう。
更新日時:2011.04.15
将来の可能性
体格・球威・球速があるタイプではけしてないので、ドラフト候補云々の選手ではありません。ただ微妙な出し入れができる選手なので、個人的には結構面白いかなと思っております。もう少し各動作にも意識を配り、ストレートに勢いが乗せられてくると、実戦派投手としての可能性を感じさせます。 関西の大学などに進んで、実戦的な投球を磨いて欲しい素材です。まずは、夏までに課題の克服に努め、再び甲子園の土を踏んで欲しい。そういった実戦的な投球の追求は、今後進むべき世界でも、きっと追いかけて行く行くテーマとなるはず。何処まで貪欲に技術を探求して、相手を翻弄し続けて欲しいと願います。
更新日時:2011.04.15
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