2011年07月26日 石川県立野球場

金沢vs星稜

2011年夏の大会 第93回石川大会 準決勝
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成長の証

 “あのとき”と同じ姿が顔をのぞかせていた。
初回、2死。
星稜の四番・森山恵佑に自慢の速球をスタンドに運ばれた金沢のエース・釜田 佳直は、明らかに動揺を見せていた。
次打者にはストレートの四球。

“あのとき”と同様、ガタガタと崩れそうな雰囲気だった。
“あのとき”とは、今春のセンバツ。

150キロの剛腕は、長打一本で別人になってしまった。
加古川北を相手に5回2死まで完全投球。打者14人のうち、9人から三振を奪う快調なペースだった。
ところが、15人目の小田嶋優にレフトフェンス直撃の二塁打を浴びると、四球、安打などで2失点。見下ろして投げていたはずが、たった一本の長打で自信を失ってしまったようにすら見えた。

長打のあとの四球は、まさに“あのとき”と同じ状況。捕手の丹保 雄志もあわててタイムを取り、マウンドに向かう。同じ失敗をくりかえしてしまうのか――。
だが、ここからが成長の証だった。
続く打者を落ち着いてライトフライに打ち取り、ピンチを脱してみせたのだ。
「レフトフライだと思ったのが伸びていってホームランになってしまった。あのときは完璧に浮き足立っていましたね。『きりかえよう』と思いましたけど、なかなかできなかった。仲間の声に助けられました」(釜田)

直後に味方が1点を返してくれたこともあり、このあと釜田は本来の投球を取り戻していく。3回以降は6回の2安打だけ。7回には三者連続三振を奪うなど、星稜打線を寄せつけなかった。長打一本で自分を見失うことなく、きりかえ、冷静さを保って投げる。この試合では、それができた。
「前はピンチに熱くなって自分のことしか考えられなかった。今はピンチでも冷静に振り返れる自分がいる。ピンチでも意識せずにできています」(釜田)

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