第121回 セガサミー 赤堀 大智 選手(掛川西高出身)2012年12月26日


 188cm91kgの大型野手・赤堀大智。公式戦での場外本塁打のパワーだけでなく、高い守備力も評価され、今年のドラフトでは横浜DeNAから4位で指名。打撃と守備のパワー&スピード向上について伝授します!

目次

【目次】
[1]大型パワーヒッターのバッティング理論
[2]守備でのスピードを追求せよ
[3]強豪・セガサミーでのトレーニングは?


大型パワーヒッターのバッティング理論

セガサミー 赤堀大智選手

――高い長打力をもつ赤堀選手ですが、まずはバッティング時の軸はどこに置いていますか?

赤堀大智(以下「赤堀」) 僕はあまり前に出たくないんですよね。構えて、後ろにテイクバックを取った時の右のライン。ここが軸ですね。いつも、ここを意識しています。
 右側を軸にして、手と腰とヒザを一緒に出すイメージ。左のラインが開くのを我慢すれば、右のラインが出ますよね。そういう目的で、軸は右に置いていますね。
 というのも、以前はバットが上手く出てこなかったんです。それを体と一緒に全部出そうという意識にすると、前よりもバットが出るようになりました。先輩の十九浦(拓也)さんやコーチから色々とアドバイスを受ける中で、自分はこれが打ちやすいなと、今のフォームを見つけていきました。

――バットの出し方は、大学時代と社会人では変化はありますか?

赤堀 社会人になってから、『バットを最短で出す』ことと、『コンパクトに振る』というのは違うんだと気付きました。

 最短で出すというのは、バットをポンと出すイメージ。そうすると、体が前に前に出て、ヘッドも走らないし、打球も飛ばない。そうではなくて、バットを落とすイメージ。
 それを身に付けるには、後ろの手だけで打つ練習をしました。僕の場合は右手ですね。これは、ヘッドを意識するために右手で打つんですが、片手で打つと、ヘッドがキレイにパチンと走れているかが分かるんです。
 誰かにトスをあげてもらってもいいし、自分でボールを持って打ってもいい。この感覚を少しずつ覚えていくことで、バッティングは良くなっていったかなと思います
 僕は、今まで引っ張っるだけのバッティングがすごく多く、ヘッドが下がって弱い打球になってしまったんですが、これを練習したら前よりも強い打球が打てるようになりました。


――インパクトの瞬間に力を入れるために、どんな体の使い方をしているのでしょうか?

赤堀 体の力もいると思いますが、やっぱりバットのヘッドが走らないと、強い打球が打てないと思うので、そのヘッドを走らせるためには、体の開きを抑えることだと思うんですよね。体が開くとヘッドが走らないまま、ボールに当たってしまう。つまり、腰の回転の速さよりも、まずはバットが出るか出ないかということを意識していますね。腰から回したらバットは遅れるので、腰が回る勢いはなるべく抑える。
 そのために、体の前で振る練習をします。僕の場合は、引っ張ってしまうことが多いので、そこを矯正するために、下半身は止めて、体の前で振る練習をしたほうが、強いスイングが出来るようになるんじゃないかなと思います。

都市対抗野球大会での赤堀選手

――打球スピードとパワーをつけるための赤堀選手おすすめの練習法はありますか?

赤堀 オススメは『連続ティー』ですね。キレも出ますし、ムダのないスイングが身に付きます。連続なので、変な動きをしていると追いつかなくなるんですよね。
 重いボールや、重いバットにすればパワーもつくので、軸も安定してきます。
 僕の場合は、連ティーで1日1000回。その中でも、いろんなメニューがあって、30球×10セット、20球×10セット。屈伸してジャンプして10球×10セット、片手打ちで10球×10セット。ノーマルに打って100球など。
 これはチームとしての練習ですが、これを『強化ティー』として全員で取り組んでいました。スイングも強くなりますし、バットの出る位置も自然に身に付く。軸も出てくる。本当にオススメです。