第98回 千葉ロッテマリーンズ 唐川侑己選手2012年06月29日

 2011年の昨シーズン、12勝をマークした唐川侑己投手(千葉ロッテマリーンズ)。入団4年目に大きな飛躍をみせた。これまでと、そして今と、唐川投手の中で何が変化したのか。
 また、夏を迎える高校球児に向けて、ピンチの場面の切り抜け方や、四球を出した時の考え方などアドバイスも満載!

目次

【目次】
[1]考えて投げ続けた結果、生まれたもの
[2]高校時代の唐川投手はどうピンチを乗り越えてきた?
[3]道具のこだわり&球児へのメッセージ

考えて投げ続けた結果、生まれたもの

"実践することが大事"

――昨シーズンは12勝をマークした唐川投手。昨シーズンと、入団してからの3年間。結果も大きく変わりましたが、どんなところが自分自身の中で一番変化したと感じますか?

唐川侑己投手(以下「唐川」)  去年に関して言えば、過去3年間(プロで)やってきて、ある程度、自分のスタイルのイメージが出来てきました。その中で試合の状況に応じて、心に余裕を持って色んなことをたくさん考えられるようになった。考えることによって、心に余裕が生まれたかなと思いますね。一年を通じて、当然苦しい時期もありましたが、自分に余裕を持って出来たかなと。
 自分の中で、一生懸命考えながらやっていこうという思いがあったので、それが形になって出来たのが、去年が初めてでしたね。

――唐川投手は、お話しを伺っていると以前からも常に考えてプレーしていた印象がありますが、それでも1~3年目はまだまだという感じだったのでしょうか?

「唐川」  確かに考えてはいたのですけど、その考えが途中でブレたりとか、逆に考えすぎて悪い流れになっていくというのはありました。より引き出しが増えたので。それで余裕が生まれたのかなと思います。

 それに、僕に関しては圧倒的なボールがあるわけでもないし、これという変化球があるピッチャーでもなく、トータルで勝負するピッチャーなので、それは当然考える力が必要になってくる。考えて投げる。僕にはそれしかないので、それをやっているという感じです。

ピンチの場面や四球を出したあとの考え方

――実際に試合において、追い込まれた時の考え方をお伺いします。まずは、カウントが悪くなった時には、どんな心境でマウンドに立っているのでしょうか?

「唐川」  場面にもよるんですけど、例えば序盤でツーボールやスリーボールになった時は、フォアボール(四球)よりもヒットを打たれたほうがいいので、そこは開き直って、ど真ん中に投げる。これが一番大事ですよね。
 逆に、試合の終盤にカウントが悪くなった時には、ボールが甘く入ったらホームランを打たれるバッターであれば、無理してストライクを投げにいってホームランを打たれるよりは、フォアボールを出してでもしっかり切り替えて次のバッターにという考え方が大事になりますね。

――逆に、バッターと勝負しなければいけない追い込まれた場面で、フォアボールを出してしまった時の気持ちの切り替え方は?

「唐川」  フォアボールも『ヤバい』と思うから、やばくなっちゃうことが多いと思うんですよね。だからフォアボールを出してもなんとも思っていなければ大丈夫なんです。
 僕がやっていていいなと思うのは、フォアボールを出して、ノーアウトランナー一塁の場面を作った時には、ゲッツーを狙う投球をするための努力をしようとすること。ゲッツー(併殺)って高校野球では難しいですが、そういった努力をしようとすることが、最も心を落ち着かせる方法かなと。
 やっぱり『フォアボールを出してしまった!』と思うよりは、フォアボールを出してしまったのだから、『次のバッターをゲッツーで捕ろう』と思う方が心に余裕が出来ますし、ポジティブな考え方になりますよね。