第94回 中日ドラゴンズ 浅尾拓也選手2012年03月28日

 2011年、セ・リーグ最優秀選手賞を受賞。79試合(87回1/3)に登板して、7勝2敗10S。さらに、防御率0.41、45ホールド(52HP)を記録し、最優秀中継ぎ投手にも選ばれた。
 そんな浅尾投手はピッチングだけでなく、今、フィールディングの上手い投手としても注目を集めている。今回は浅尾投手から、フィールディングの上達方法をたっぷりと教えていただきました。また、これから春季大会や、残り100日で夏の大会を迎える球児の皆さんに、強いメンタルを手に入れるための考え方も伺いました。

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高校野球ドットコム 2011年インタビュー 第64回 中日ドラゴンズ 浅尾拓也選手 (2011.04.20)

目次

【目次】
[1]1.瞬時の判断力を養う、2.素早いハンドリングの上達法
[2]3.ボールへの反応と瞬発力を磨く
[3]ピンチに強いメンタルを手に入れる

1.瞬時の判断力を養う

"普段の練習で判断力を養っていく"

――素早く、確実なフィールディングを一つの武器としている浅尾投手。今回は、そのフィールディングに関して、上達するためのアドバイスを教えてください。まず、打球を取ってから送球するまでの“状況判断”は、どのタイミングで下しているのですか?

浅尾選手(以下「浅尾」)  まず、投げる前に、どこに送球すればいいかというイメージは常に持って、投球に入ります。ここはランナーを進められても、確実にアウトを取りに行く場面なのか?それとも、ここは二塁を狙って刺したほうがラクな場面なのか。二塁に投げるのか、三塁に投げるのか、その段階で、ほぼ決めています。
 たとえば、「必ず一塁ランナーを刺しにいく」と決めたときは、バントをされても自分の正面に飛んでくるようなボールを投げる、そして絶対に刺すという気持ちを持って送球しますね。

――場面によっては、ランナーの足の速さや打球のスピードによって、瞬時に対応を変えなくてはいけない時もあります。そんな時のための「判断力」を鍛えるために、日頃どんな練習をすればいいのでしょうか?

「浅尾」  基本的には、「刺す!」と思ったら迷わない。でも、打球を取って、送球しかけても、「無理だ、間に合わない」っていう時もあります。そのタイミングって、パっと振り返ってランナーの位置をみたら分かるんです。そしたら、その塁に投げるのをやめればいいだけなんですけど、そういった咄嗟(とっさ)の判断を下すためには、やっぱり普段の練習が大事ですね。
 こういうのは、実戦でしか養えない感覚なので、シートバッティングで、ランナーがついているときに、ランナーの走力と、自分の球の速さを理解して、いける(アウトに出来る)範囲を確認しながら練習します。その代わり、ランナーにも思い切って走ってもらわないと練習にはなりません。

――その感覚を養うために、練習ではどんなことを意識すればいいのでしょうか?

「浅尾」  実践練習で、まずは刺すって決めたら、とにかく投げてみることですね。そのうちに、感覚が掴めてくるんです。
 このタイミングで振り返って、ランナーがこのあたりを走っていたらアウトに出来るけど、このあたりを走っている時に投げたらセーフになったらから、次はここでは投げない。そういう基準を自分の中で作っていく。感覚を掴んでいく。(練習の中で)失敗することで学んでいきました。

2.素早いハンドリングの上達法

――ハンドリングの上達に、おすすめの練習方法を教えてください。

「浅尾」  例えばゴロを取る動作で考えると、フィールディングの速さに差が出るのが、ゴロを取って握り返るまでの時間。見ていると、これが長い人が多い。ボールの握りを速くする、投げる、この反復練習を重ねることで、もっと速く投げられるようになると思います。
 自分の前にゴロを投げてもらって、取って、握り返して、後ろに投げる。この練習は、僕はプロに入ってから、全体練習が終わって個別の練習時間で繰り返しやっていました。

――ボールを取って、投げる。その際に、体のどこを意識すれば速い動きが身についてくるのでしょうか?

「浅尾」 とにかく、“ターンを速く”ですね。ボールまでダッシュでいって、取ったらすぐ投げる。足の動かし方も何度も練習しましたし、握り返る練習もしました。