【目次】
1 どう自分を変えていけばいいのか、分からなかった3年間
2 「俺はマウンドに上がった時の気持ちは、お前には負けない」
3 1人で閉じこもるだけでなく、周りのメンバーと関わり合う
4 キャッチャーとの会話を大事に

キャッチャーとの会話を大事に

"話し合うことで、お互いに気付いて勉強できる"

――石田投手の気持ちが変わったことで、野球に対する取り組み方や、ピッチングでの考え方はどう変わったのでしょうか?

「石」 マイナスのことを考えなくなりました。今までは、フォアボールを出したからダメだ。点を取られたからダメだ。ヒット打たれたからダメだ…と落ち込むことが多かった。

 だけど、今では点を取られても、「あそこが良くなかったな。点取られてたけど、次はこうすればいいんじゃないの?」とか、「打てるもんなら打ってみろ」とか、自分のピッチングが出来るようになりました。

 その中で、一番に変化したのは、“間”が作れるようになったことですね。今までだと、ただ投げるだけ。サイン出されたら投げる。そうじゃなくて、自分の間、自分のペースを作って投げることの大切さに気付きました。

 あとは、ピンチのときもあまり顔にも出さなくなりましたね。ランナーを背負っていない場面って実際は少なくて、ランナーを出す場面のほうが多い。そういうことを考えて投げるだけでも、ピンチも楽しめるようになりました。

――バッテリー間での変化というのも、あったのでしょうか?

「石」 日産にいた頃は、自分より2個上のキャッチャーの方で、配球も全て任せきりでした。「これ投げたい」というのをサインで出してくれたり、意志疎通が出来ていたんです。だから自分も思い切って投げることができました。ただ、住友金属鹿島に移籍してからはキャッチャーは全員、自分より年下。そこで、まずキャッチャーとのコミュニケーションを大事にしましたね。 自分がオープン戦などでも投げたあとには、キャッチャーと話を必ずしています。悪かった内容の時のほうがお互いに学ぶことも多いですね。

――高校生のバッテリーたちも、この秋季大会を2人で振り返ってみることで、何か発見できそうですね。

「石」 そうですね。ボコボコに打たれても、試合後にキャッチャーとコミュニケーションを取って、話し合うことで、お互いに気付いて勉強できる部分がありますね。去年の都市対抗では、(捕手の)日美が頑張ってくれて、信頼できて投げられたということが、都市対抗ベスト4という結果につながりました。

「門西さんがいなかったら、自分は今、野球を続けていないかも」そう語る石田投手のグラブには今、こんな刺繍が入っている。信頼と感謝――。

「チームから信頼されるピッチャーになること、チームメイトを信頼すること。そして、後ろで守っていてくれる人への感謝の気持ちを忘れないためにこの言葉を大切にしています」。

 日産自動車から住友金属鹿島へ移籍した今も、石田祐介はチームの勝利のために、マウンドに上がり続けている。

(文・安田 未由

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