Interview

山梨学院大学附属高等学校 小林義弘選手

2011.10.25

第84回 山梨学院大学附属高等学校 小林義弘選手2011年10月25日


 1年生の秋から4番に座り、今夏の山梨大会では打率6割をマーク。本塁打数「5」打点「13」を叩き出す活躍をみせた山梨学院大付の小林義弘。2回戦から準決勝までの4試合連続での本塁打は大会新記録となった。さらに甲子園初戦の八幡商戦では5打数3安打。2年生ながら、大舞台での強さもみせた。プロ注目の左の強打者・小林義弘とは、一体どんな選手なのか?彼の打席に入った時の考え方や、これから目指す理想のバッティングを聞いてみた。

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【目次】

4試合連続本塁打を振り返る

バッティングで重視していることは?

尊敬する高橋周平選手を追って

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【目次】

4試合連続本塁打を振り返る

バッティングで重視していることは?

尊敬する高橋周平選手を追って

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4試合連続本塁打を振り返る

“どんなピッチャーでも自分の間(ま)で入れた”
photo:Shinji Kiuchi

――まず、夏の山梨大会で記録した4試合連続ホームランを自分で評価すると?

小林選手(以下「小」) 出来すぎかなあと思うんですけど。

――こんなに打ったこと今まででないですか?

「小」 春の練習試合で5試合連続ホームラン打ったことはあるんですけど。そのときと同じ感覚でしたね。

――その時は、どんな感覚でした?

「小」 いろんな投げ方をするピッチャーがいるんですけど、どんなピッチャーでも自分の間(ま)で入れたし。(どの投手とも)初対戦なんですけど、こっち有利で進められている感じがしました。そのときと同じで、夏も迷いなく打席に立つことができました。

――この夏の山梨大会は、ホームラン数も凄いんですが、三振が少ないですね。

(夏の山梨大会 5試合18打数11安打、打率.611、5本塁打、13打点、1三振)

「小」 低めが拾えていたんです。勝負球で低めの変化球が多かったんですけど、それを拾えたと思います。その中でも、ファーストストライク、セカンドストライクをどんどん打っていったんで、追い込まれることが少なかったですね。

――甲子園の八幡商戦を見て、見逃しが少ないと思いました。第5打席を1球ずつ記録したんですが、ストライクコースにきた球は2、3、4、6球目をファールして、2-2に追い込まれた7球目のシンカーを打ってセンターフライでした。4球目の外角低めのシンカーなんか、腰を落としてうまく拾うなと思いました。

「小」 ファーストストライクを打っていくほうがピッチャーもやりにくいし、そこは自分の中でもテーマにしています。厳しい球は打ったらいけないんですけど、それは調子のいいときと悪いときの差で。

――調子が悪いときは、たとえば左投手の外に逃げていく変化球を追いかけてしまうんですか?

「小」 そうですね、打ちたい気持ちが強くなって早打ちすることがあります。ストライクはストライクでも厳しい球を打ってしまったりとか、もう1球待てばよかったのにと打席の中で後悔することがあります。

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バッティングで重視していることは?

尊敬する高橋周平選手を追って

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バッティングで重視していることは?

“冬場は下半身を強化したい”

――小林選手の好きなコースを教えてください。

「小」 ピッチャーによって違うんですけど、外の高めから内の低めが結構好きですね。

――それは全部のコースということですか?

「小」 そのラインが好きなんです。

――そういうの初めて聞きました。それは他のチームメイトたちもそうなのでしょうか?

「小」 いえ、他の人は多分、外だったら縦のラインだと思うんですけど。

――それで、バッティングで一番重視しているのは何ですか。

「小」 自分は悪くなると前に行っちゃうクセがあるんですよ。それをなくすためにポイントとタイミングっていうのを重視しています。

――なるほど。振る力がいくら強くても、タイミングをうまく取れなければ強く振れないですからね。そのために心掛けていることはありますか?

「小」 自分は足を高く上げるほうなので、冬場のランニングで下半身強化をしようと思っています。軸がブレないようにしっかり立ちたいので。

――高く足を上げるというのは、これからも変えないのでしょうか?

「小」 しっくりきているんですけど、上を目指していこうと思っているので、あんまり高く上げるのはよくないのかなあと思っています。それを冬場にいろいろ試してみようかと思っています。

――監督、コーチからはどんなことを言われますか。

「小」 足のことを言ってくれたのもコーチなんですが、最近チェンジアップとかシンカーを投げるピッチャーが多くて、右ピッチャーでも入ってくる球だけでなく、外に逃げていく球を投げるので、ブレが小さいほうが逃げていく球に対応していくと思うので。

――小さい動きでタイミングを取る打ち方に変えていっているのですね?

「小」 一応やってみるんですけど、ピッチャーによって変えてみたり、いろいろやってみようと思っています。

――ピッチャーによって変えるっていうのはどうなのかな。このピッチャーにはこの打ち方、というのは結局相手の術中にはまっているということだもんね。それで、4月の山梨大会と8月の甲子園を見た印象なんだけど、ミートポイントが随分前にあるんだなと思いました。それと打ち方が忙しい。パッと足を上げてパッとステップするという感じ。ストレート待ちのタイミングというのかな。もっとゆったりとボールを待ってほしいんだけど、そのへんはどう考えてますか。

「小」 それもコーチに言われたんですけど。パッパッ、ってなってるって。そのためにもすり足で引いて懐を作ってからさばく、というのに取り組もうと思っています。

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バッティングで重視していることは?

尊敬する高橋周平選手を追って

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尊敬する高橋周平選手を追って

“(高校通算本塁打)60本を目標にしています”

――東海大甲府とは今年(2年)の春と夏に対戦して、2試合ともホームランを打っているんだけど、何か理由はあるのですか?

「小」 やっぱり、東海大甲府甲府工は自分の中で意識しているものがあって。高橋(周平)さんは尊敬しています。

――どういうところが尊敬できますか?

「小」 バッティングはもちろんですけど、それだけじゃなくて、守備がよく、チームを引っ張っている姿勢も見られますから。

――では、最後に小林選手のプロフィールについて伺います。右投げ左打ちはいつからですか?

「小」 小学校4年になるまでは右投げ右打ちでした。足があんまり速くないので、一歩でも早く一塁に着くには左打ちのほうがいいと父に言われて、変えました。

――今は一塁に着くまで何秒かかりますか?

「小」 4.50秒です。50mは6秒6です。

――ウエイト トレーニングはやっていますか。

「小」 もう一回り体を大きくしたいので、冬は3日に2回くらいの間隔で、上半身と下半身に分けてやっています。

――高校通算ホームラン数は?

「小」 28本です。もっと伸ばしたいですね。60本を目標にしています。

――ポジションは中学時代のキャッチャーからスタートしたんですか?

「小」 入ってすぐ、バッティングに専念できるようにとファーストになりました。

――これからもずっとファーストを守っていこうと?

「小」 これからは色々なところを挑戦しようと思っています。

 取材後、須田喜照監督に小林のポジションについて聞くと、いろいろ適性を見ながら決めていきたいと話してくれた。一塁固定をよしとしないのは、小林のプロ志望をバックアップしようと思っているからに他ならない。「プロの一塁は外国人とかいますもんね」という須田監督の言葉には、教え子に対する愛情が籠っていた。
 しかし、小林の三塁は予想できたが、ショートもやらせてみようと思うと言われたときは驚いた。小林には守りのイメージがないからだ。言い換えれば、それほど小林義弘という選手から“バッティング”のイメージを強烈に植えつけられているということなのだろう。

(文・インタビュー:小関順二)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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