第83回 熊本国府高等学校 稲倉大輝選手2011年10月23日


 プロ注目の一つの要素として、強打者タイプなら必ずと言っていいほど、高校通算本塁打という数値化が目安にされている。しかし、どうだろう。そもそも非公式記録であるこの記録は、試合を行うフィールドの広さに規定がないため、両翼90m以下の柵越えも1本であり、同100mのフェンス直撃は当然、1本に数えられない。

 高校通算26本塁打。その数だけに目を向けると少し寂しい気もするが、熊本国府稲倉 大輝が、放った数々のホームランは数字だけでは語れない、本質的なホームランの奥深さを感じさせてくれる。
昨秋、ともに両翼99mの藤崎台県営野球場で行われた熊本大会の熊本工戦九州大会の鹿児島実戦で外野スタンドを遙かに越えていった場外アーチ。さらには練習試合での150m弾や招待試合でセンバツ優勝投手から放ったセンターバックスクリーン横への幻のアーチ(3回途中で降雨中止)など、稲倉が幾度もみせた鮮やかなホームランは、熊本のファンの間で、すでに語り草になっている。

これが高校生の打球なのか。そんなことを思わせるような、超高校級の飛距離と打球の質。さらに近年、左打者の増加傾向がみられる中、右の高校生スラッガーは、ある意味で稀少価値があると言えるだろう。
そんな稲倉がどのような野球人生を歩み、今に至っているのか、その真相に迫った。

【目次】
中学時代を振り返って
高校時代に放ったホームランについて
これから