Interview

福岡ソフトバンクホークス 和田毅選手

2011.05.19

第65回 福岡ソフトバンクホークス 和田毅選手2011年05月29日


 福岡ソフトバンクホークス、和田毅。
言わずと知れた日本球界を代表する左腕である。独特のフォームから繰り出される精度抜群のボールを投げ込み、昨季は自己最多の17 勝をマークし、最多勝とMVPに輝いた。島根県立浜田高時代は、2 年夏にエースとして甲子園出場を果たすと、翌年夏の甲子園ではベスト8 に進出。早稲田大学に進学後も東京六大学リーグで通算27勝を上げるなど、日本中にその名を轟かせた。その輝かしい成績だけをみると順風満帆なアマチュア時代をイメージできる。

 しかし、ケガという逆境を乗り越えての甲子園ベスト8 、大学入学後1ヶ月半で急激にアップした球速など、苦悩と努力を重ねてきた。そして彼は、常にひたむきさを忘れなかった。だからこそ、プロ入り後、球界を代表する左腕になっても、ひたむきさを忘れないその姿で、人々に勇気を与えてくれるのだろう。 

 今回は、スキンズプロデュースのインタビュー第一弾として、そんな和田投手に「スタミナ」をテーマにお話しを伺いました。

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【目次】
■高校時代を振り返って
■大学時代を振り返って
■今シーズンについて
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高校時代を振り返って

“高校時代は、とりあえず、毎日走っていました”

――練習での取り組み方で、これがよかったということがあれば、教えてください。

和田選手(以下「和」) 高校時代は、とりあえず、毎日走っていましたね。常に走っていたイメージがあります。当時は、外野も兼任していたので、ピッチングとバッティング以外の時には基本的には外野をずっと走っていました。それが終わった後も、野手と一緒に交じってベースランニングなどをやっていたので、スタミナという面では、それが絶対、後に繋がったと思いますね。

――逆にもっとこうすればよかったということはありますか?

「和」 ウエイトトレーニングに関しては、無頓着というか、どういうふうにやっていいのか全く知らなかったので、ほとんどやっていなかったですね。あとから考えると高校の時からトレーニングの知識を身につけていればもっといいボールが投げられたんじゃないとか思います。
高校2年秋に左の上腕三頭筋をケガ(一部断裂)しているのですけど、体のケアに関しても自分の知識があれば、ケガを防げたかも知れなかったかなとか思います。

――ケガ(上腕三頭筋)をしてからは、どんな練習をしていましたか?

「和」 腕(利き腕)を固定していたのでボールも投げられず、バッティングもできなかったので、走ることだけ。それも腕を振らずに歩いたりとか走ったりとかの状態だったので、昔でいう空気椅子とかタイヤを引くことなどの下半身の強化しかできなかったですね。

“「絶対治るんだ」という気持ちで”

――そんな状態の中、当時の今(5月中旬)の時期は、どういう気持ちで練習をしていましたか?

「和」 とりあえず、夏の大会に腕が間に合うかなっていう状態だったので、「間に合ってくれ」という思いで練習していました。5月くらいからキャッチボールができるようになりましたが、外野を守りながらでもそんな思い切り投げられなかったです。それでも僕の場合は、運よく間に合うことができたのでよかったですが、ちょうど今、ケガを抱えている高校球児もいると思うので、しっかりと自分を見失わずに「絶対治るんだ」という気持ちでやってほしいですね。

――やっと間に合ったという状態で、夏の大会に挑んだことになりますが、どうでしたか?

「和」 夏の予選までは、外野手として試合に出たりしていましたが、ピッチャーとしては全然投げていなかったので、(2年秋に)ケガをしてからその夏が、実戦初登板となりました。
予選(島根大会)では、全試合を先発で投げているのですけど、僕自身もまだ調子が悪かったのでリリーフしてくれた同級生のピッチャーがしっかりと抑えてくれたり、打つ方でも周りがたくさん打ってくれていましたので、本当にみんなに助けられましたね。

――久しぶりの登板が、いきなり夏本番ということで、緊張とか焦りはなかったですか?

「和」 緊張はもちろんありましたけど、焦りはなかったですね。
当時のメンバーで普通にやれば、甲子園に絶対行けると思っていたので、僕らの力をしっかり出せれば、負けることはないと思って試合をしていました。


大学時代を振り返って

”スタミナの原型を作ったのは、大学4年間”

――高校時代に常時120キロ台だった球速が、大学入学後には140キロを超えるまでに。その成果はどのような練習があったからだと思いますか?

「和」 同級生の学生トレーナーがいたので指導を仰ぎながら二人三脚の形でやっていました。自分の中で、どうやったら速い球が投げられるようになるかなと考えながら、投げ方を変えたというか、ピッチングフォームを工夫しました。その結果、入学して1ヶ月半で球速が平均で13キロ上がりました。ちなみに当時の学生トレーナーが、今、自分のパーソナルのトレーナーなんですよ。

――大学4年時には、エースとして早稲田大学52年ぶりの春秋連覇達成に貢献し、2季連続でベストナインに選出。さらに東京六大学野球連盟の奪三振記録である通算476奪三振を達成されました。高校時代よりも球速が増した中で、それだけの結果を残したスタミナの源は何ですか?

「和」 メチャメチャ走りましたからね。高校の時ももちろん走ってはいたのですけど、ランニングの質が上がった上に量も増えたので、まあ人生で一番走った4年間だったんじゃないですかね。距離的には200~400mくらいの中距離が多かったです。特に外野のポール間(約180m)の往復をよく走りました。プロに入るスタミナの原型を作ったのは、大学4年間で培ったものだと思います。

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今シーズンについて

【ハーフタイツ、カーフタイツ・和田選手試合中使用商品】

――17勝をマークした昨季は、完投数が1ですが、今シーズン(5月13日現在)は5試合の登板で、早くも完投数が2ですね。その完投数が増えたことについて何か秘訣のようなものはありますか?

「和」 今のところ、球数を使わずして9回付近まで投げられているので、おのずと完投という数が増えたのかも知れないですし、体重を昨年より6キロ(76→82キロ)くらい増やしたので、その影響もあるのかなと思いますね。自主トレ、キャンプと量を食べるということをテーマにたくさん食べてきたので、体重も増えましたし、当然、トレーニングの効果も上がりました。

――そんな体をサポートするために、道具へのこだわりは、ありますか?

「和」 
僕は試合の時、SKINSさんのハーフタイツを履いているんですけど、この製品はどんどん体に馴染んできて、ほんと履いているのか履いていないのか分からないような感じになってきました。ある意味、いい違和感というのですかね。

 僕の中で、投げている時に違和感がないということが一番だったので、ストレスなく投げ続けることができるというベストの状態を保ってくれています。それは、当然スタミナ面にも繋がっていることだと思います。実際、この製品を使うようになってから長いイニングを投げてもさほど疲れは感じていないですし、投げる試合で結果が出ていますからね。

――最後に高校球児に、夏の大会へ向けてのアドバイスをお願いします。

「和」 3年生にとっては、残り2ヶ月で、もしかしたら終わってしまうかもしれないし、甲子園に出て、国体まで行けば、まだ秋まで高校野球が出来ますが、高校3年間、実質は2年半くらい野球に懸けてきた子たちが夏の大会に挑むわけなので、残りの日々を「まあいいか」という気持ちで練習を終わってほしくないですね。絶対に悔いは残してもらいたくないです。
それと絶対にケガをしてほしくないと思います。最後の夏を前にケガをしたら「オレの2年半はなんだったんだ」と思うことになって、無念で夏が終わってします。
当然、ケガと結果を出すということは、隣り合わせなのかも知れないですけど、しっかりと入念な準備とか集中力とか、いろいろな面を含めてケガをしない形で夏の大会を迎えてもらいたいなと思います。

 今回、お話しを伺った和田投手が試合中に「履いているのか、履いていないのか分からないほど違和感がない」と話していたSKINSのハーフタイツ。「長いイニングを投げても疲れを感じない」という言葉通り、SKINSのハーフタイツは下半身の筋肉のポンプ作用を促進し、酸素供給を高めることで運動中の疲労感を軽減させ、より高いパフォーマンスを発揮させる効果がある。また、これからの夏場のシーズンも、連戦に耐えることができる強い下半身をサポートしてくれるアイテムなのだ。

SKINS商品の詳細についてはこちら

(文・インタビュー:アストロ)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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