一生懸命やる事

ス なるほど。当然現在とは環境が違いますね。ここ数年、高校球児の人数は増えています。部活動の継続率も上がっていると聞きます。
(参考資料: 一年生がその後進級して三年生になった時の残留の割合である継続率 平成元年 74.5% 平成10年 77.9% 平成20年 82.2%)
工 やめる事自体は大きな事ではないけれど、その後の人生がどう変わってしまうかを考えると大きいものかもしれません。
野球はしょせん野球であり、スポーツのひとつです。
極める事も大切ですが、すべての人が極められるものでもありません。
人生の中で、スポーツをやってきたことをどう活かしていくか、という事が大事で、そこに「継続する力」や、「自分が嫌な事に対しても立ち向かっていく」事が養われると思います。
世の中には理不尽なこともある、しかしそこから逃げ出していいのか、と。そこが問題だと思います。
大人と子どもの狭間の中で、早く大人になりたい半面、大人から見ればまだ子どもという時期の中で、本人の意思が示せるか示せないかにかかってくると思いますよ。
僕も今息子と娘がいますが、「何かをやるなら自分で真剣に、一生懸命にやりなさい。一生懸命やって駄目だったらいいよ。違うことやって構わないから。ただ一生懸命やらずに、あれが嫌だから辞める、これが嫌だから辞めるのではいけない。それが上手になったり自分で好きになったりすることであるならば、いくらでも協力してあげる。でも一生懸命やらないのだったら協力しないよ。」と(言っています)。
ス 一生懸命やった上で判断するということですね。
工 えぇ、自分の意思を先に示さないことには、その後がないので。やりたいのかやりたくないのか。わからないけど何となくやっている事が成功するはずがないですよね。それがその先の自分に活きるとも思いません。
ス むしろその時間が勿体ないですよね。
工 だから、その時間を充実させたいのなら、自分の意思を示しなさいと。その上でどうしたらいいかわからない場合はアドバイスもするし、その先にどういう方向で行きたいかを考える場合は、世の中はこうなっているよと教えるし、トレーニングを教えてほしい場合は、今はこんなトレーニングがあるよと教えます。