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第7回 日本野球機構(NPB)審判員 名幸一明さん2012年04月04日

 今年、NPB審判員15年目を迎える名幸一明氏。そのうちの9年は、「選手が選ぶベストアンパイア賞」を連続で受賞。高校卒業後は、すぐにプロ入りを果たすも、引退後は、NPB審判員として活躍を続ける名幸一明氏に今回はお話を伺いました。

【目次】
[1]大事なのは「絶対に叶えるんだ」という気持ち
[2]審判からも信頼される審判になりたい

大事なのは「絶対に叶えるんだ」という気持ち

――まず最初に、沖縄の興南高校時代の3年生最後の夏の思い出を教えてください。

名幸一明氏(以下「名幸」)  最後の夏は、(沖縄大会の)決勝戦まで勝ち進んだんですけど、相手は沖縄水産で、1対2で負けてしまったんです。
 ほんとに、いい勝負でした。ちょっとした目に見えないエラーで点が入ってしまった感じかな。ヒット数もこっちが多かったしね。
 ただ、その試合で勝ち負けと関係ないんですけど、試合中に時間が止まった感覚になった瞬間があったんです。それは守備の時だったんですけど、沖縄のあの暑い夏に、なぜか涼しい風が吹いてきて、すべてが止まったようにみえたんですよね。その瞬間、このままずっとここで野球をやりたいなって感じたあの感覚は、不思議と今でも覚えていますね。

――高校を卒業後は、横浜大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)に入団しました。高校時代からプロへの思いは強かったのでしょうか?

「名幸」 最初、僕は六大学で野球をして、力を磨いてそのあとにプロ野球選手になりたかったんです。だけど、甲子園に出ていなかったので、推薦を受けることが出来ませんでした。それで、当時は2月に『ドラフト外入団』という制度があって、そこで横浜に指名していただいて入団しました。
(ドラフト外入団とは1990年まであった制度で、通常のドラフト制度を通さずに選手をチームに入団させる制度)

――“大学に行ってから”ではありませんでしたが、プロ野球選手への夢を叶えた名幸さん。プロ入り後は、どんな思いだったのでしょうか?

「名幸」 小さい頃から、沖縄出身でプロで活躍してる人をみたら、自分も絶対にそんな選手になるんだと思って練習してました。キツい練習も、そういうこと考えてると全然ついていけるし、人の倍はやろうと思いました。自主トレとかトレーニングの時は、人よりも多くやりましたね。プロになった時は、すごく嬉しかったですよ。父親もすごく喜んでくれましたね。

――実際に、プロの世界はどんな感じでしたか?

「名幸」 横浜スタジアムに入ったときは、こんなとこで野球が出来るんだって感動しましたが、もちろん練習もキツいですし、ダメだったら解雇になる厳しい世界。周りの選手をみても、こんなに大きいのかとも驚きました。それでも、自分はチャレンジしようっていう思いで打ち込んでいました。

 ただ思うように結果を残せなかった。選手として、8年やった後は、3年間ブルペンキャッチャーをやりました。もちろんその時はもう野球選手としてプレーできないんだって思いましたね。試合には出られないんだって。でも、選手として結果を残せなかったんだけど、指導者としての意識が今度は芽生えてきて、投手を育てたいっていう熱意に切り替えがうまくできました。

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プロフィール

名幸一明
名幸一明(なこう かずあき)
  • 1968年生まれ。興南高校時代は捕手として活躍、卒業後は横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団、1995年に引退した。その後ハリーウェンデルステッド審判学校を経て1998年にセントラル・リーグ審判部に入局(東京勤務)。2009年には審判員奨励賞を受賞、オールスターゲームやクライマックスシリーズの審判員も務めた。日本プロ野球選手会が行なっている「選手が選ぶ!ベストアンパイア」では2003年から2011年まで毎年選出されている。
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