Interview

株式会社ライズ 今村遼太 さん

2010.07.01

第05回 株式会社ライズ 今村遼太さん 2010年06月30日


株式会社ライズ 今村遼太 さん | 高校野球ドットコム

第5回のOB訪問は、株式会社ライズ・地域活性化プロジェクトリーダーとして活躍されている今村遼太氏にお話を伺いました。
今村氏は、高校、大学と野球をプレー。その後、NPB入りを目指し四国アイランドリーグ設立独立初年度に愛媛マンダリンパイレーツに入団。その後、クラブチームにてプレーし、現役を引退。
半生を通して野球をプレーした中、野球からどんなことを学んだのでしょうか。お話を伺ってきました。


高校時代

株式会社ライズ 今村遼太 さん | 高校野球ドットコム

スタッフ(以下「ス」):今村さんと野球の出会いはどのようなものだったんでしょうか? 

今村氏(以下「今」):本当に原点に戻ると中学生のときになります。僕達は練習試合と公式戦を含めて1回しか勝てませんでした。監督もいない中でやっていたのでそのくらい弱かったんです。山手学院は中高一貫だったので、高校ではスポーツ推薦の選手との差があってレギュラーになれずにずっと雑用をしていました。

高2の秋に、初めて背番号をもらったんです。その時に10打数5安打3三振、三振かヒットかって。(笑) 今でも覚えています。そこからはレギュラーをとりました。このときに結果を出せたということが僕にとって大きな転機になりましたね。

3年間、僕は皆よりも早くに来て練習して皆より遅くまで練習していましたから。だからその時の自信がある。それだけやったし、それがあるから何でもできる。その時ほどつらいことはなかったですから。

「ス」:高校野球はやりきれましたか?

「今」:高校野球自体はやりきった感はありました。名だたる常総学院と引き分けたりとか、静岡県で50本安打50得点したりとか。やっぱり負けたのは悔しかったですけど、高校野球としてはある程度満足できました。


大学時代、そして独立リーグへ

株式会社ライズ 今村遼太 さん | 高校野球ドットコム

「今」:僕は社会人野球までいってそこからプロに行きたいと考えていて、大学で野球を続けるためにセレクションを受けに行きました。いくつか受けたのですが立正大へ入学し、硬式野球部に入ろうと思っていましたが、試合経験が積めるだろうと準硬式野球部に入りました。でも中学のときのように監督がいなくて・・・。だからサインもキャプテンが決めたりしてやっていました。僕は自分たちの代になったときキャプテンで、エースで、4番を打っていましたから、そういう重要な役を任されて自分を客観視できるようになりましたね。

「ス」:なるほど。独立リーグへ行こうと思ったのはいつ頃ですか?

「今」:大学3年でシーズンが終わるちょっと前くらいに、アイランドリーグが出来たということを知って迷わずにテストを受けに行きました。準硬式から硬式に戻るということは特に意識はしませんでしたね。もちろん感覚が違うけど、たぶんできるだろうって。

テストに受かって、キャンプに行ったときはカルチャーショックを受けました。これだけ守備がうまいやつがいるんだって。

「ス」:レベルの差に痛感したと。

「今」:そうですね。今までは井の中の蛙でやっていたところがありましたから。ずっと指導者がいないところで野球をしていたので、守備の守の字もわからなかったんです。だから感覚でやっていたことをアイランドリーグでびっちり教えてもらいました。もう本当にしんどかったです(笑)。

でも打つ方は負けないだろうなって。僕は規定にちょっと足らなかったけど3割くらい打っていましたから。この時期は本当に夢中になってやっていました。不満に思っても何も進まないから、やってダメならしょうがないって。


社会人

株式会社ライズ 今村遼太 さん | 高校野球ドットコム

「今」:1年アイランドリーグで野球をした後は、社会人野球のアークバリアに移りました。
ここでの1年間でバッティングは本当に変わりました。

僕らが野球教室で教えていた子供たちが軟式球なのに球場でホームランを打つ姿に刺激されて僕らも練習しました。そしたら野球の感覚というものが180度変わりました。

「ス」:どういう練習をしていたのですか?

「今」:僕は言われたことを極端すぎるほどやるんです。そうするとそれが本当に良いのか悪いのかがわかります。8割くらいでやってしまうと良いのか悪いかもわからない。

それはスポーツでも仕事でも同じです。極端に変えることも大事なのだと思います。極端にやってみて、ダメだったらまた変えていけばいい。バッティングはそれでだいぶ変わりましたね。やっぱり間違いないなって感じました。

「ス」:野球を引退しようと思ったきっかけは?

「今」:2年アークバリアでプレーにいて、3年目を考えたときに初めて悩んだんです。先を考えたらもうプロにはいけないだろうって、自分の中でそう思った時点で無理だったのだと思います。1年目が終わって2年目というときは全然迷いませんでした。2年目から3年目のきは、結果だけ見たら打率もいいしホームランも打っていましたのですが・・・。どこかで社会人絶対ないよって、クラブチームにしてもないよって言われながらも、結果を残したらプロへの道があるという気持ちがありました。でも強化選手にすらなれなれませんでした。それでクラブチームと社会人の野球チームの差を知った分けです。

「ス」:これまでの野球人生を振り返って、社会人になって活きることはなんだと思いますか?

「今」:やっぱり根性がありますね(笑)。それに人として磨かれたと思います。礼儀であったり、あいさつだったり。社会人の中でも周りを常に見ているので、ちょっとした気配りとかが自然とできます。やっぱりスポーツでも何でも、何かを一生懸命やっていた人というのはどっかで芯が通っていたり、筋を間違えたりしないかな。

高校球児へのメッセージ。

「ス」:最後に高校球児に伝えたいメッセージをお願いします。

「今」:何事も一生懸命にやったものが自信になって人間性とか人柄とかになるのだと思います。高校野球は優勝する1校以外は皆負けてしまいます。でも、その勝敗以上に大きな物を得ているはずです。そういうものを大切にして欲しいですね。

「ス」:今日はありがとうございました。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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