Interview

源田壮亮などを担当するエージェント・栄枝慶樹が推し進めるアマチュア界への改革

2023.04.02

 球界を代表する名手として多くの野球人が憧れる埼玉西武ライオンズ・源田壮亮内野手(大分商出身)。華麗な守備を見せる度にSNS上では「#源田たまらん」など大きな話題を呼ぶ人気ぶり。

 今回のWBCは大会途中に指を骨折するアクシデントに襲われたが、強行出場で日本の内野陣を支え続け優勝に貢献。準決勝・メキシコ戦で「#源田の1ミリ」がトレンドに入ったことも話題になった。

 日本球界が誇るトッププレイヤーだが、現在、源田のエージェントでありマネジメントをしている株式会社 DIAMOND ALLIANSで代表を務めている栄枝 慶樹さんの存在が大きな支えになっているという。

 そんな栄枝さんの球歴やマネジメントをするうえでの考えなどを前回紹介したが、今回は栄枝さんが取り組む新たな一手について迫った。

少年野球をはじめアマチュア界に、改革の一手を

源田壮亮などを担当するエージェント・栄枝慶樹が推し進めるアマチュア界への改革 | 高校野球ドットコム
栄枝 慶樹さん

 そんな栄枝さんは、プロ野球選手のマネジメントだけではなく、ディーエーアカデミーと呼ばれるスクールを、都内を中心に全国に展開している。

 自身がマネジメントしているプロ選手のサポートの時に蓄積したデータ分析や映像解析を駆使して、科学に基づいて本質的に良いフォームなどを具体的に指導して、選手それぞれが目指すプレーへサポートする。己を高めることを考え続ける選手たちを中心にマネジメントしている栄枝さんだからこそ、アマチュア選手たちに有益なトレーニング法を伝えられるわけだ。

 「プロとアマチュアで一番違うのは、ノウハウだと感じています。決して根性論ではなくて、身体の仕組みに基づくなど本質や原理原則、理論に従ったメニューです。そのために、映像などでより具体的に課題や現状を可視化させています」

 まさに恩師・田辺さんから教わった野球の「本質」に基づいて、練習「環境」を整えるところが、ディーエーアカデミーというわけだ。

 全国で10店舗構えるほどの人気ぶりで、「トレーニングの時間が長くて飽きちゃうんですけど、次第に考えることを覚えると、練習が楽しくなる。玄人がわかるメニューだと思います」と人気の理由を分析。実際に「チームの練習よりも、スクールの方が楽しい」という声も多くもらっているという。

[page_break:幼児から中学生までの野球チーム「杉並中野GALAXY」を発足]

幼児から中学生までの野球チーム「杉並中野GALAXY」を発足

源田壮亮などを担当するエージェント・栄枝慶樹が推し進めるアマチュア界への改革 | 高校野球ドットコム
栄枝 慶樹さん

 栄枝さんは、そのエピソードについて語ると、少年野球に対する自論を話しだす。
 「色んなカテゴリーで指導者をやってきましたが、少年野球は経験が少ない分、選手たちはまっさらですけど、野球の本質を教えられる指導者が減っている。それでも勝ちたいと思って、勝利至上主義を貫くから軍隊式のチーム作りが始まると思うんです。
 そうすると、いつも選手はグラウンドで怒られて、プレッシャーがかかって野球が楽しくない。保護者もお茶当番などの負担が多いので、結果的に10年前に比べると野球人口が50%近く減っていると思うんです」

 だからこそ栄枝さんはプロ選手のマネジメントを通じて学んだ最新のノウハウを、ディーエーアカデミーと杉並中野GALAXYで子どもたちに落とし込み、正しく野球を覚えて、楽しさを伝えようとしている。

 学童野球監督としての直近の戦績では、同じ小学校の選手たちがほとんどを占めるチームにて、小学3年生までほとんど勝ったことが無く、小学5年生まではタイトルを獲ったことがなかったチームを、最後の1年、東京3位まで勝ち上がるなど、中野区で4回の優勝を飾る急成長ぶりを見せる。いかに栄枝さんが教え込んでいることが、子どもたちにとって大きいものなのか。その成果が伺い知れる戦績だ。

 真のプロ野球選手を支えているからこそ、あらゆる形で野球界に還元している栄枝さん。これからも源田をはじめとした選手たちを支えつつ、アマチュア球界の変革の一手を打ち続ける。

(取材:田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.16

【群馬】前橋が0封勝利、東農大二はコールド発進<春季大会>

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.16

社会人野球に復帰した元巨人ドライチ・桜井俊貴「もう一度東京ドームのマウンドに立ちたい」

2024.04.17

昨秋は仙台育英に勝利も県4強止まり「サイン以上のことをやる野球」を極め甲子園目指す【野球部訪問・東陵編①】

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.11

【埼玉】所沢、熊谷商、草加西などが初戦を突破<春季県大会地区予選>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード