球界を代表する名手として多くの野球人が憧れる埼玉西武ライオンズ・源田壮亮内野手(大分商出身)。華麗な守備を見せる度にSNS上では「#源田たまらん」など大きな話題を呼ぶ人気ぶり。

 今回のWBCは大会途中に指を骨折するアクシデントに襲われたが、強行出場で日本の内野陣を支え続け優勝に貢献。準決勝・メキシコ戦で「#源田の1ミリ」がトレンドに入ったことも話題になった。

 日本球界が誇るトッププレイヤーだが、ある1人の存在が大きな支えになっているという。

常に自分を磨ける選手だけが1億円プレーヤーになる



栄枝 慶樹さん

 現在、源田のエージェントでありマネジメントをしている株式会社 DIAMOND ALLIANSで代表を務めている栄枝 慶樹さんだ。

 幼少期は香港にいたが、学生時代は学習院中等科から、学習院大と進んで野球をプレー。社会人になってからも様々なカテゴリーで監督経験を積みながら、マネジメントという仕事を15年間やり続けている。

 ほとんどのマネジメント会社が億プレーヤーの見込みや、なってからスカウトをする業界の中で、ルーキーイヤーからパートナーとして一緒に夢を実現していくコンサルティングスタイルに拘る栄枝さんだが、そのスタンスにも関わらず「(マネジメントした選手の)9割方が1億円プレーヤーになる」ということで、顔ぶれを見渡すと、先述した源田はもちろんだが、WBC決勝のアメリカ戦で先発したDeNA・今永 昇太投手(北筑出身)や、源田のチームメイトにあたる金子 侑司内野手(立命館宇治出身)なども契約している。

 既に引退された選手でも岸田護さん(履正社出身)や浅尾拓也さん(常滑北出身)をはじめとしたトッププレイヤーをマネジメントしてきた。球界を牽引してきた素晴らしい選手たちの名前が次々と出てくるところからも、栄枝さんはいかに実績があり、信頼される人物なのかというのはわかる。

 ただ、栄枝さんは1つの信念をもって選手たちをサポートしている。
 「選手が自らのことを社長、経営者だと思うことが大事だと考えていますし、それくらいの責任や覚悟をもっている人じゃなければ、マネジメントはしていません」

 この話だけではイメージが掴みにくいが、続けてこう説明した。
 「プロ野球選手は個人事業主です。プロの世界は心技体全てが磨かれた最高峰の世界なわけで、そこで活躍するには自らを高めなければ生き残れない。箔のある世界だと思うんです。
 だから、自分のことを常に磨くことが必要ですし、周りからのサポートも必要です。そのためには自分だけのバックアップチームを編成して、そこの経営者のような感覚で、選手がやらなければいけないと考えています」 

 競技は違えどテニス選手などは、栄枝さんの話すチームに最も近いだろう。
 技術はもちろん、コンディション関係など数多くのコーチと契約して自らを磨く、ブランディングしながら、世界中を飛び回って大会に出場すると聞いたことがある。

 栄枝さんが話すのは、まさにそういった自分を成長させるためのチームを自らが経営者としてトップに立ってやる必要性であり、そうした意識のある選手だけをマネジメントするのだ。