目次

[1]肘痛で力を出せぬまま終わった高校野球
[2]兄の紹介で決めた飯塚への進学


 2022年10月20日に行われたプロ野球ドラフト会議2022で、エンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東)と同じ7月5日生まれの大型右腕が育成指名を受けた。ロッテ育成2位指名の飯塚(福岡)・白浜 快起投手だ。

 身長192センチの白濱にとって、長身右腕の大谷は憧れの存在で、投げ方、体の使い方などを研究し成長につなげてきたと言う。まずは支配下登録へ強い意気込みを語る。

「今自分の立場は育成なので、1軍というよりは這い上がることを2年間かけてやっていかないといけません。早ければ23年には支配下に上がりたいと考えているので、1日でも早く全力で投げれるように頑張っていきたいと思います」

 1日でも早く全力で。

 そう語るのは、ケガに苦しんだ1年間があったからだ。

肘痛で力を出せぬまま終わった高校野球



白浜 快起(飯塚)

 ちょうど1年前、白浜はドラフト上位候補とまで呼ばれる存在だった。192センチの長身から最速146キロの直球を投げ込み、「無限の可能性を秘めた大型右腕」として大きな注目を集めていた。

 だがドラフト指名への試金石となる春季大会の直前、思わぬアクシデントに見舞われた。

「春先に肘を痛めてしまい、そこから上手く投げれなくなってしまいました。そこが高校野球で一番悔いが残る部分で、夏も調子が上がらないまま終わってしまって。秋の時点で146キロが出て、冬の練習でも148キロぐらいは出ている感触はありました。正直、150キロもすぐに出せると思っていたので、本当悔しかったです」

 コンディションが上がらないまま迎えた夏は、甲子園を考える余裕すらなかった。球速は130キロ中盤から上がらず、下級生投手の力も借りながらマウンドに立ち続けたが、準決勝で敗れ高校野球に幕を下ろす。

 大会前は、メンバーから外れることを自ら申し出ることも考えたが、最後は「チームのために」という思いで投げ続けた。

「自分では本当に自信があったので、力を出せなかったことが悔しかったです。甲子園のマウンドに立って、そこで活躍してドラフト指名という道のりもイメージしていたので。夏はただ、チームのためにということだけを考えて投げていました」

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