京都翔英・小笠原蒼

 小野寺 暖外野手(阪神)、石原 彪捕手(楽天)、山本 祐大捕手(DeNA)と、これまでに3名のプロ野球選手を輩出している京都翔英(京都)。そんな同校に山下勝弘監督が「久しぶりの怪物ですよ」と太鼓判を押す選手がいる。それが2年生の小笠原 蒼だ。

 179センチ、91キロの恵まれた体格を持つ右投左打の選手で、打者としては夏以降に10本以上の本塁打を放っており、投手としても最速141キロを誇る。二刀流として2023年の京都を湧かせるであろう大器に単独インタビューを行った。

愛知港ボーイズから京都翔英へ


 愛知県豊田市出身の小笠原は、小学1年生の時に山之手少年野球クラブで野球を始めた。小学生時代は主に捕手と一塁手をやっていたそうだ。

 中学では愛知港ボーイズに所属。「パワーには自信があったので、周りの子よりは飛ばしていました」と長打力を発揮していた一方で、1年の秋には球が速かったことを買われて投手を始めるようにもなった。中学生の間に球速は130キロを超える速球を投げていたという。

 京都翔英に進学の話が出たのは中学3年の6月。山下監督から誘いを受けたのがきっかけだった。親元を離れることに不安もあったが、「他の県で試してみたい気持ちがあったので、勝負しようという気持ちになりました」と近畿地区の強豪校に進むことを決心した。

 意気揚々と京都翔英の門を叩いたが、2年春までは結果を出せず、公式戦に出場することができなかった。

「ピッチャーの球のキレであったり、変化球の精度であったり、今のままだったら追いつけないとレベルの高さを感じました」

高校野球のレベルの高さに挫折していた小笠原を救ったのが山下監督の言葉だった。「結果を気にするのではなくて、どんどん振っていけ」というアドバイスをもらったことで精神的に楽になり、次第に結果が出るようになると、夏にはレギュラーを獲得。4番打者を任されるまでになった。

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