目次

[1]1日12合の米でスピードアップ
[2]強豪私学相手に20奪三振でリベンジ


 7月9日に開幕する第104回全国高校野球選手権大阪大会で注目投手の1人に挙げられているのが、大阪電通大高的場 吏玖投手(3年)だ。185センチの長身から最速144キロの速球を投げる本格派右腕で、春の府大会でも関大北陽相手に20奪三振完封、大阪桐蔭相手に8回3失点と好投を見せている。

 プロのスカウトからも注目を浴びている的場にこれまでの野球人生や今後の目標などについて聞いた。

1日12合の米でスピードアップ


 大阪府寝屋川市出身の的場は、2人の兄がやっていた影響で小学2年生の時に寝屋川スカイヤーズで野球を始め、中学では軟式のジュニアセブンに所属。元々は遊撃手を守っていたが、「ピッチャーがいなかったので、強制的になりました」と2年生の終わりに投手転向。「フィールディングであまりミスをしない」と現在も遊撃手の経験は生かされているようだ。

 中学時代の球速は125キロほどで、公式戦でもなかなか勝てなかったという。実績が皆無だった的場に目を付けたのが大阪電通大高の岡野 穂高監督だった。当時の的場の印象を岡野監督はこう語る。

「ピッチャーで出ている時もありましたが、基本的にはショートで試合に出ているイメージがあり、センスはあるなと感じながら試合は見ていました。挨拶や指導者の方と話している姿を見たら、人間的にも良い子なんじゃないかなと思って、声をかけさせて頂きました」

 家族を通じて岡野監督から誘いがあることを知った的場は進学を即決。1年夏から公式戦のマウンドを任された。

 特に飛躍のきっかけとなったのが1年生の冬。約1ヶ月間、全体練習から離れて米を1日12合も食べる日々を続けた。大阪電通大高では有望な下級生投手に集中して米を食べさせる習慣があり、取材日も2年生と1年生の投手が1人ずつ練習に加わらず、ひたすら食事を摂っている光景が見られた。それにより的場も体が大きくなり、力を入れてきた体幹トレーニングの効果も相まって、140キロを超える直球を投げられるようになった。

 大阪電通大高のグラウンドは40メートル×60メートルの広さしかないため、遠投をすることができない。投手としての能力を上げるには不利な環境だが、「近い距離で相手の胸に投げることできるようになりました」と逆に投げる距離が近い分、制球力の向上には役立っているようだ。

 グラウンドにマウンドはないため、足元が人工芝の移動式マウンドで日々の投球練習を行っている。限られた環境の中でも工夫を凝らした練習で着実に力を伸ばしていった。

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