目次

[1]投げる、捕る、打つ、走る
[2]スポーツ、野球に関わりたくて転職
[3]高校時代の思い出

 清水剛さんが「子ども向け野球教室★ビスタベースボールクラブ」を鹿児島で立ち上げたのは2011年5月のこと。子どもを対象にした体操や陸上、サッカーやバスケットボールなどの「教室」は一般的になりつつあるが、野球教室は「鹿児島で初めて」(清水さん)だった。

 野球の実績はほぼない元高校球児の清水さんだが「明るく、楽しい野球を伝えたい」と妻・亜由美さんと二人三脚で、草の根の野球普及活動に取り組んでいる。

投げる、捕る、打つ、走る


 月曜日は玉里団地の中央公園が練習会場。取材に訪れた6月6日の参加者は小学3年生が3人、1年生が1人の4人。最初のメニューはバッティング練習。清水さんが下手で球を打ちやすいように投げて、子供たちが自由に打つ。

 野球の練習はキャッチボールが基本と考えていたが、「キャッチボールって意外に難しいんですよ」と清水さん。空中にあるボールを怖がらずに捕れるようになるには、ある程度慣れがいる。やはり子供たちが一番好きなのはバッティングだ。思い思いに打ち、残りの子供たちは守備につく。

「投げる、捕る、打つ、走る…。野球の動作をたくさんやるようにしています」

 バッティングの後は内野ノック。1カ所で受けて一塁に投げたり、三塁から走り始めて三遊間のゴロ、二塁から二遊間のゴロ、一塁から二遊間、二塁から三遊間と往復する。外野の「アメリカンノック」の内野版といったところか。「レーザービーム」は軽くフライを上げ、捕ったら走りながら思い切りネットに向かって投げる。

 練習の締めくくりはミニゲーム。2対2でチームを組み、攻守に分かれる。バッティング練習と同じように清水さんが下手で投げ、攻撃側はそれを打つ。インフィールドに転がったら走る。一塁ベースまでたどり着いたら1点、二塁なら2点、三塁なら3点、ホームまで生還したら4点となっており、3アウトチェンジで9回までゲームして合計得点を競う。

 最後のゲームは、まさしく団塊ジュニア世代の清水さんや私たちが子どもだった頃、学校や公園でやっていた「草野球」「野球ごっこ」だ。会場の玉里中央公園はかつて私が小学生だった頃、「4年4組対5組」で試合をした「球場」だった。

 9人そろうことは滅多になく、監督も、審判もいない。6人対7人の試合でも、ルールを自分たちで決めて、遊ぶことに夢中になっていた。漫画「ドラえもん」でよく描かれる「土管のある空き地」での「野球ごっこ」が、この世代の野球に対する「原体験」にあることを期せずして思い出させてくれた場面だった。

 私も子どもたちと一緒になってノックを受け、守備についた。軽くフライを捕球し、それっぽくゴロをさばくいただけでも、尊敬の眼差しで見てくれる。

「ガイヤさん、じょうずですね!」

 小学3年生のセイくんが声を掛けてくれた。野球が本当に好きらしく、私が清水さんと高校の同級生で同じ野球部だったという話をすると、ポジションがどこだったとか、背番号は何番だったかなど、根掘り葉掘り聞いてくれた。外野手だったと答えたので、呼び名が「ガイヤさん」になった。

 一通り練習が終わると、最後は参加カードにスタンプを押し、お互いと保護者にお礼のあいさつをして教室を締めくくった。

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