東洋大の「朗希世代」23年のドラフト候補左腕 「軽く投げて160キロ」が理想【後編】
東都大学野球リーグ2部に所属する東洋大は、現在は2部だが、1部では20度のリーグ優勝に加え、全日本大学選手権は優勝4回、明治神宮大会は優勝2回の実績がある。
今年の投手陣の一角を担う左腕・細野 晴希投手(3年=東亜学園)は、最速154キロを誇り、早くも2023年のドラフト候補の逸材として注目を集めている。
毎年好投手を輩出する東洋大は今年も、156キロ右腕・羽田野温生投手(4年=汎愛)、151キロ右腕・一條 力真投手(2年=常総学院)を筆頭に速球派投手が多く在籍しており、首脳陣・選手たちは「日本一の投手陣」を目指していると声を揃える。
今年の大学野球界トップクラスの投手陣と言っても過言ではない東洋大の主戦として、1部昇格、日本一奪還に燃える細野の現在に迫る。【後編】
150キロ超複数、全国トップクラスの投手陣に刺激
東洋大・細野 晴希(3年=東亜学園)
毎年全国から好投手が入部する東洋大の投手陣には常に感化されるという。
「羽田野さんと一條は150キロを出すという意味では刺激になっています。それ以外も松澤さんだったり、岩崎だったり、渡邊さんだったり、みんなオープン戦でも0で抑えていたので、みんながライバルでいい刺激になっています」
今年の東洋大投手陣は豪華な顔ぶれが揃う。ドラフト1位候補の羽田野、エース格として先発を担うサイド右腕の松澤 海渡投手(4年=帝京)、現広島の小園 海斗内野手らとともに夏の甲子園8強入りの実績がある渡邊 友哉投手(4年=報徳学園)らが最上級生として牽引。さらに2年生ながらすでに投手陣の一角を担う一條や、2019年夏の甲子園V投手・岩崎 峻典投手(2年=履正社)など下級生も経験を積んでおり、全国トップクラスの布陣だ。
羽田野については「僕の高校の時のキャプテンに似ています。性格が大人しいところ、なんとなくリーダー資質があるところが近くて、僕は勝手にこの人についていこうと思っています」と慕う。
また、プロ野球の世界に入った歴代のOB投手たちの存在も道標の一つになっているという。2018年にDeNAから1位指名を受けた上茶谷 大河投手は「3球連続で決めてから投球練習終わってたぞ」という話をコーチから聞くなど、東洋大野球部の伝統も肌で感じている。
[page_break:「軽く投げて160キロ」が理想]「軽く投げて160キロ」が理想
東洋大・細野 晴希(3年=東亜学園)
昨年の春季リーグで東洋大は2015年秋以来の2部降格となった。「なんとしても全部勝って1部に上がりたいです」。2部でスタートとなった昨秋、東都リーグは出場停止(=不戦敗)のリスクを考慮し、新型コロナウイルス感染拡大防止策の観点から入れ替え戦が行われなかった。今季は入れ替え戦が復活。「最短」で1部昇格にかける思いは強い。
チームとしては「日本一」が目標だが、「プロで活躍することが目標なので、それを頭に入れて投げています」と2023年のドラフトでの指名を目指し、アピールを続けている。また高卒でプロ入りを果たした同世代の活躍も原動力となっている。「佐々木 朗希投手もそうですが、同じ左投げ投手の活躍が気になります」とオリックス・宮城 大弥投手(興南出身)や阪神・及川 雅貴投手(横浜高出身)など同世代の左腕の活躍ぶりは常にチェックしているという。
最大の持ち味である最速154キロの直球について、今後の理想像を語った。
「軽く投げて150出る感覚で160キロ出たらいいなと思います。今は150出しに行っているわけではなく、軽く投げて150は出るようになってきたので、いい感じです」
ここまでの大学野球生活は「順調」と語る細野。1部昇格、日本一、プロ入りの目標実現へ、着々と歩み続けている。
(取材:藤木 拓弥)