Interview

打撃成績は全く満足していない。世代屈指の大型二塁手・山田健太(大阪桐蔭ー立教大)が行った打撃と練習改革【前編】

2022.03.29

 今年の大学生はスタープレイヤーが多い。その1人が立教大・大阪桐蔭山田 健太内野手(4年=大阪桐蔭)ではないだろうか。ここまで東京六大学通算62安打、通算7本塁打をマークし、現役選手でもトップレベルの数字を残している。さらに中止になったものの、3月5日、6日に開催予定だった台湾代表との強化試合の代表選手に選ばれていた。評価が高い1年春から沸かせてきた山田も今年は最終学年となり、目標であるプロ野球選手になるために勝負の1年だ。主将・山田となって、どんな心境の変化があったのかにも迫っていきたい。

成績が残せなかった要因

打撃成績は全く満足していない。世代屈指の大型二塁手・山田健太(大阪桐蔭ー立教大)が行った打撃と練習改革【前編】 | 高校野球ドットコム
山田健太

 昨秋のリーグ戦は10試合で37打数10安打、1本塁打5打点、打率.270。この数字について、山田は全く満足していない。

「どこをとっても全然満足いく結果が残せなかったので、とても悔しい気持ちです」

 最初のカードとなった早稲田大戦では本塁打を打つなど、上々の出だしだったが、その後、不振にあえぐ。その要因について振り返る。

「最初の早稲田戦は良かったのですが、そこから自分のスイングができない状態になってしまったので、なんとか持ち堪えたかったのですが、そこから調子を上げることが難しかったので、そのまま終わってしまったという感じです」

 東京六大学通算62安打、通算7本塁打をマークしているが、1シーズン通して打率4割を超えたシーズンが1シーズンもなく、「高くもなく低くもない」数字で終わっている。それでも生粋の大型二塁手として高く評価はされているものの、このままではいけないという危機感は募らせている。

「自分の100%のスイングというのが東大戦以降はできなくて、全部合わせにいってしまうようなバッティングでした。後悔ではないですけど、できなかった思いが強かったです。

 僕は1年生の時から出させてもらって、良いことも悪いこともたくさん経験しましたが、打てない時はどうしても、上半身に頼ってしまっていた。下半身が上手く使えなかったという点が、この6シーズン戦ってみて感じたことでした。最後のシーズンですけど、この3年間を生かして、戦っていきたいと考えています」

 上半身と下半身が連動した打撃フォームを作り上げるために、下半身強化を重点にトレーニングをしてきた。

「この冬もバッティングだけではなくて、守備も下半身を使って、動きたいと思ったので、下半身強化を重点的にこの冬は取り組んできました」

[page_break:同級生の蛭間から学んだ練習に取り組む意識]

同級生の蛭間から学んだ練習に取り組む意識

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山田健太

 また山田の進化を支える経験となったのが、昨年12月に行われた候補合宿だ。大きな体験を得たという。

「1年生の時も経験して、1年の時は右も左もわからず、ただ先輩たちがすごいプレーをしていて、すごいなと思っていたら3日間終わっていました。昨年は自分達の代になって、1年生の時と比べれば、余裕はありましたし、この代を引っ張っていきたいと思いながらプレーできた。レベルも高かったですし、いい経験だったと思います」

特に同級生の蛭間拓哉外野手(浦和学院ー早稲田大)から多くのことを学んだ。

「同じリーグですけど、蛭間とはコミュニケーションをとって、バッティングのことや体のことなど内容の濃い話しができたので、良かったと思います。蛭間は細かく考えてやっているので、勉強になりました」

 その結果、大学に戻ってからの練習に対する取り組みも大きく変わってきたという。

「打って投げる単純な動きですけど、その日の体調や、キレは毎日違うので、そういった部分を感じながら、その日にあった体の動かし方など細かい部分を意識して、練習ができるようになったと思います。今は体調に合わせて動き方を変えています」

 こうして冬のトレーニングに励んできた山田は3月のオープン戦で、強豪大学、社会人との練習試合でも長打を打って得点に貢献するなど勝負強い打撃を発揮している。

 山田のこれまでの実績が評価されて、台湾代表との強化試合の代表選手に選ばれた。

「聞いたときは嬉しさしかありませんでしたし、選んでいただいて光栄です。ただ、これまで以上に、この世代の先頭に立ってやらないといけない。そんな思いが芽生えてきました」

 チームのリーグ優勝のために、チームプレーを目指すとともに世代を代表する選手として自覚を持ったプレーすることを誓った山田。そして1年生から経験を積んできた山田は主将に抜擢された。今年は主将として、どんな思いでチームを引っ張っているのか、どんな1年にしたいのかは後編のインタビューで紹介していきたい。

(取材:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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