宮本との投げ合いに敗れた悔しさ胸に

宮本 恭佑(東練馬シニア)と安福 拓海 =春の全国大会準決勝より
最上級生となってからはエースとして活躍。その一方で、指導陣は安福を大事に扱い、酷使することなく、なるべく大事な試合でしか登板させなかったという。
そんな中で安福が印象に残っているのが、昨年8月に行われた日本選手権大会2回戦の東練馬シニア戦だ。3月の全国選抜大会準決勝では0対2と惜敗しており、チーム全体としてもリベンジに燃えていた。
この試合では宮本慎也さん(元ヤクルト)の息子である宮本 恭佑投手(3年)と壮絶な投げ合いを披露する。しかし、宮本に適時打を打たれるなど、好投は報われずに0対2で敗戦。「僕が打たれて悔しい思いをしたので、忘れられないです」と本人にとっては悔しい思い出となった。
「長いようで短い3年間で、しんどい練習とかもあったんですけど、全部自分のためになったと思います」と神戸中央シニアでの3年間を振り返る。神戸中央シニアは全国屈指の練習量を誇るチーム。その中で心身を鍛え上げ、周囲から注目を集める投手に成長を遂げた。
中学最後の大会を終えてからも高校の練習に合流するまでの間は、毎週のように神戸中央シニアの練習に参加。現在は肩回りの筋力強化を目指しているという。
目標のプロ入りへ高校球界に飛び込む

安福拓海(神戸中央シニア)
高校は近畿地区の強豪校に進むが、「1年生からレギュラーになれるように頑張りたいです」と気合十分。彼の素材なら早くから公式戦のマウンドに立つことができるのではないだろうか。
安福を3年間指導した山田総監督は、「自分で自分を成長させる力はまだありませんが、人間性を高校野球で学んでいけば、将来的にもプロ野球の世界でも十分に活躍できる選手になっていくのかなと思います」と彼の将来性に太鼓判を押す。
安福自身も「プロ野球選手になりたいです」と将来のプロ入りを意識しており、これからは更なる高みを目指して野球に取り組む。意識の高い選手たちと切磋琢磨すれば、中学時代以上のパフォーマンスを発揮してくれることだろう。
体格も投球も中学生離れした規格の持ち主である安福。彼がどんな3年間を送るのか今から楽しみで仕方がない。
(記事:馬場 遼)