Interview

東洋大姫路170センチのエース・森 健人、高卒プロ目指し聖地でアピール誓う

2022.03.11

東洋大姫路170センチのエース・森 健人、高卒プロ目指し聖地でアピール誓う | 高校野球ドットコムトーナメント表
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 今年のセンバツ出場選手の中で、好投手として注目されているのが、東洋大姫路(兵庫)の22876投手(3年)。昨秋は報徳学園(兵庫)や智辯学園(奈良)といった強豪校相手に完封勝利を収め、14年ぶり8回目のセンバツ出場の立役者となった。

 身長170センチと小柄ながら好投を続ける森の強みや、センバツへの意気込みなど、インタビューした。

藤田監督のために

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森 健人(東洋大姫路)

 兵庫県たつの市出身の森は父と4歳上の兄の影響で、小学3年生から龍野宮脇ファイターズで野球を始め、4年生から本格的に投手となった。

 中学時代は龍野ボーイズに所属。3年生の時にはリポビタンカップ第50回記念日本少年野球選手権大会で準優勝に輝いている。森の真骨頂は相手打者の内角を強気に突く投球だが、この投球スタイルは龍野ボーイズ時代に確立されたという。

「監督さんにインコースをギリギリ攻めると、良いバッターでも打てないという話を聞いて、そこからインコースという部分を磨きたいなと思いました」

 中学時代に確かな実績を残した森は、「自分の力で東洋大姫路高校を甲子園に出場させたいという思いがあって入学しました」と地元から近い東洋大姫路に進学。2011年夏を最後に甲子園から遠ざかっていたが、だからこそやりがいがあると感じていた。

 しかし、入学直後に右肘を痛めて8月に手術。1年生の間は公式戦のマウンドに立つことができなかった。

 それでも打撃を買われて、秋は三塁手として出場。10月以降は投手に復帰し、2年春からは投手陣の一角を担うようになった。

 夏の大会までは2ケタ背番号だったが、新チームでは満を持してエースとなる。それを機に取り組んだのが、カーブの習得だった。

「夏の大会で投げていた時の持ち球は真っすぐ、スライダー、チェンジアップでしたけど、夏の大会が終わってから緩急という部分を求めていくということになって、秋の大会からカーブを投げだしました。そのカーブを上手く使えて秋の大会も抑えられたと思うので、夏の大会の負けがあって自分が成長できたと思います」

 近畿大会の智辯学園(奈良)戦でもカーブを有効に使っていたが、それは春と夏を経験して自分の課題を見つけて、その改善に取り組んだからだ。そうした意味で、「夏の大会投げさせていただいて、その経験が秋に生かせられたと思います」と森は語っている。

 秋の大会を控えた8月中旬、藤田 明彦監督が3月末で退任することを選手に伝えた。指揮官の言葉を聞いた時、絶対に甲子園に行くという気持ちがより強くなったという。

「元々噂を聞いていて、その中で監督さんから聞いたので、心の準備はなんとなくできていました。自分たちの代が甲子園を目指す最後のチャンスだったので、選手の中でも絶対に甲子園に出ようという思いで、秋の大会は挑んでいました」

[page_break:自信をつけ、課題も見つけた近畿大会]

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自信をつけ、課題も見つけた近畿大会

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森 健人(東洋大姫路)

 こうして臨んだ秋季大会で森は大活躍を見せる。西播地区代表決定戦の飾磨工戦では8回裏に同点に追いつかれて、なおも1死満塁のピンチを招いたが、三塁への牽制球でアウトにしてピンチを乗り切った。その後、チームは直後の9回表に1点を加えて勝利。こうしたフィールディングの上手さも森の長所だと藤田監督は話す。

「高校野球の投手は27個のアウトのうち、3つか4つは守備や牽制球でアウトにする技術を持っていないと勝てないよと言い続けていました。それに関して森は上手いですね」

 さらに県大会では優勝候補と言われていた報徳学園を10回完封。自信を付けて、近畿大会に進んだ。

 初戦の相手は智辯学園。レギュラーが夏から総入れ替えとなったとはいえ、夏の甲子園で準優勝している強敵だ。

「県大会とは違った雰囲気の試合で、緊張もありましたけど、智辯学園さんと試合で自分がどこまで通用するかというのを試せる機会でもあったので、プレッシャーというよりかは楽しみの方が勝っていました」と堂々たる投球を披露。打たせて取る投球で、6安打完封勝利を収めた。

 続く準々決勝の相手は大阪桐蔭。勝てばセンバツ出場が確実となる試合だったが、力及ばず0対5で敗れてしまう。その後の明治神宮大会を制したチームを相手と対峙して、新たな課題も見つかった。

「実際に投げてみると、体の大きさや技術の差がかなりあって、まだまだ自分に足りない部分がいっぱい出てきたと思っています。真っすぐの回転数や変化球のキレがもっと必要だと感じました」

プロ入りへ、聖地でアピール

 近畿大会8強に終わり、センバツ出場を確実にすることはできなかったが、「選ばれた時のために冬場は体重を増やすことを意識していました」と冬場はセンバツ出場を意識してトレーニングに励んでいた。秋の段階で67~68キロだった体重は70キロまで増加。甲子園で戦うための体づくりを着実に行ってきた。

 そして迎えた出場校発表の日。東洋大姫路は近畿地区最後のイスとなる7校目で選出され、念願の甲子園出場を叶えた。「監督さんに甲子園で指揮を執ってもらえるのが一番嬉しかったです」と当時の心境を振り返る森。恩師と最後に甲子園で戦える喜びをかみしめながら甲子園で戦う。

 センバツに向けては次のように語る。

「まずは初戦を絶対に勝って、目の前の1試合1試合を戦い抜きたいと思います。投手としては完封を絶対にして、打者としてもホームランを打てるようにというのが目標です」

 1年生の頃は、野手として試合に出場していたように打者としても十分な実力があり、昨秋の公式戦では.333の高打率をマークしている。秋は攻撃力が課題になっただけに自分のバットで投球を楽にすることができれば理想的だろう。

 そして、甲子園で活躍した先に見据えるのがプロの舞台だ。「高校から行っても成功すると思わせられるような投手になりたい」と高卒でのプロ入りを目指しており、今大会は格好のアピールの場となる。自らの快投で、目標に近づくことができるだろうか。

「自分の持ち味はインコースの真っすぐをどんどん攻めていくことなので、強気の投球スタイルを全国の皆さんに見ていただきたいです」と意気込む森。甲子園でも内角を攻める強気の投球を見せてほしい。

(記事:馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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