Interview

楽天・浅村を目標に、主将としてセンバツV目指す、戸井零士(天理)【後編】

2022.01.13

 3年連続のセンバツ出場が有力な天理(奈良)で主将を務めている戸井 零士内野手(2年)。昨年秋は3番遊撃手として攻守でチームを牽引し、近畿大会では12打数5安打1本塁打3打点の大活躍を見せた。その結果の裏には何があったのか?後編では主将としての苦労とセンバツにかける思いに迫る。

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「自分が一番できないといけない」

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戸井 零士(天理)

 新チームの主将は1、2年生の投票で決められる。投票用紙には自分の名前を書いてもいいが、戸井が満票を獲得する投票結果となった。つまり、自らも主将としてチームを引っ張っていくという意思があったということである。

「常に自分が引っ張らないといけないのは自覚していましたし、キャプテンになる覚悟はずっと持っていました」

 結果的に満場一致で主将に選出された戸井。目指す主将像については次のように語っている。

「言葉で言うというのが、自分がキャプテンとしてのやり方だったので、自分が言う以上は自分が一番できていないといけないので、周りも見れて、なおかつ自分のプレーもできてというキャプテンが理想です」

 中村 良二監督は戸井について、「僕が選手だったら窮屈になるくらい真面目」と評する。例えば、監督がダッシュ20本を命じれば、本数を誤魔化すことなく、20本をやり切るような選手なのだという。中村監督はもう少し遊び心を持っていても良いのではないかと思っているが、「みんなで意思を統一して物事に向かって行くという姿勢を作るにはそういうことも必要なんだろうなと思います」と彼の姿勢を高く評価している部分もある。

 戸井は責任感の強い男だが、この秋はそれがいい方向に向いた。近畿大会1回戦の滋賀学園(滋賀)戦では延長10回表に決勝点となる適時二塁打を放ち、準々決勝の市立和歌山(和歌山)戦でも貴重な追加点となる本塁打を放っている。

「ベンチからも選手同士で『戸井頼むぞ!』と言われてましたし、『ここは自分が決めなアカン!』という強い気持ちがあったので、キャプテンとして一つ役割を果たせたかなと思います」

 戸井の活躍で天理は近畿大会で4強入りを果たし、今春のセンバツ出場を確実にした。甲子園に向けてこの冬は攻守の確実性向上に力を入れている。打撃でも守備でも重要視しているのは下半身だと話す。

「打撃では下半身が安定した状態で打てれば、確率も上がってくると思うので、そこを意識しています。守備は送球の時に上半身だけで投げてしまうことがあるので、常に下半身を意識しています」

 天理といえば、旧チームで遊撃手を務めていた杉下 海生(3年)が高い守備力を持つ選手として注目されてきた。「杉下さんは二遊間の打球が凄く上手い方なので、二遊間の打球への入り方や足の使い方を自主練習の時などに学びました」と名手から守備の教えを請い、秋以上のパフォーマンスを見せるために基礎固めを行っている。

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プロで活躍する先輩らに続く

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戸井 零士(天理)

 センバツではチームの優勝が第一の目標だ。そのためにも昨年とは違った姿を見せると意気込んでいる。

「日本一を目標にこの冬は取り組んでいますが、一戦必勝で、まずは目の前の敵を倒すというのがセンバツの目標です。個人的には去年に未熟な姿を見せてしまったので、変わった自分を見せたいと思います。バッティングのインパクトの瞬間の打球の強さや打球スピード、守備では堅実な守備が自分の持ち味です」

 現在のプロ野球では、ヤクルト・西浦 直亨内野手、ロッテ・中村 奨吾内野手、オリックス・太田 椋内野手と、天理出身の内野手が多く活躍しているが、戸井も歴代の先輩に負けないような選手になることを目指している。

天理高校から凄い選手の方々が活躍しているのは、自分も目指すべき場所かなと思います。個人的には楽天の浅村 栄斗内野手のような強い体を生かしたバッティングや安定感のある守備が自分の理想です」

 現時点では高卒でのプロ入りを目指しており、センバツの結果次第で進路を再考するという。そういった意味でもこの春は野球人生において重要なターニングポイントとなるだろう。目標とするプロ入りへの道を切り拓くような活躍ができるかに注目だ。

(記事:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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