DeNAドラ2・徳山壮磨の後輩に最速138キロの快速中学生!大先輩との共通点とは?
DeNA2位指名の徳山 壮磨投手(大阪桐蔭ー早稲田大)が、中学時代の3年間を過ごしたのがヤングリーグの強豪・兵庫夢前ヤングだ。12月に行われた関西地区No.1決定戦のタイガースカップ2021では、大会連覇の偉業を成し遂げ、毎年強豪校へ多くの選手を輩出している。
強豪チームにまた1人、将来が楽しみな本格派右腕が現われた。名前は川上 笈一郎(そういちろう)投手。178センチ、70キロの投手らしい体格から、キレのある直球を投げ込み、昨春には岡山マスカットスタジアムで最速138キロを計測した。
今春からは高校野球の舞台に飛び込むが、川上は「1年生から勝負できるように」と引退した現在もトレーニングに打ち込んでいる。
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コントロールが改善して本格化
川上 笈一郎(兵庫夢前ヤング)
小学校2年生の終わりに、中学でもバッテリーを組んだ松本 奏捕手に誘われたことがきっかけで、軟式野球チーム・白浜イーグルスに入団。4年生になると投手の練習を開始し、以降は松本とずっとバッテリーを組んでいるという。
中学に入ると同時に兵庫夢前ヤングへ入団したが、浄徳 一智監督は当時の印象を「体も大きく球も速かったけど、コントロールがまだ良くなかった」と振り返る。川上自身も、制球力に課題があったことを口にし、下級生時はフォームの安定のために地道な体幹トレーニングに取り組んできた。
「球の速さは、周りよりも少しは速いかなと思っていましたが、コントロールが悪かったので、始めは試合を作ることもできませんでした。しっかりとしたフォームで投げるために、体幹トレーニングを多くやって、また走り込みも多くやりました」
成果が現われ始めたのは、中学2年の秋頃。3年生が引退し、エースとしてチームを引っ張る立場になると、責任感も後押しして試合で結果を残すようになる。その年の12月に行われたタイガースカップ2020では、134キロを記録してチームの優勝に大きく貢献した。
「僕自身、ストレートに自信を持ったことは、これまでまだありません。納得できる球を投げることができたのも、本当に数球です。でも、試合でチームの勝利に貢献できたのは、素直に嬉しかったです」
[page_break:DeNA2位の徳山にも共通する高い意識]DeNA2位の徳山にも共通する高い意識
川上 笈一郎(兵庫夢前ヤング)
成長を見守ってきた浄徳監督は、順調にステップアップをしてきた要因に「意識の高さ」を挙げる。チームのOBで、昨年ドラフトで指名された徳山の成長を引き合いに出しながら、川上のここまでの成長を振り返る。
「入団からの伸び率でいえば、徳山が上かもしれませんが、入団したときのインパクトは川上の方が断然上です。ただ二人に共通しているのは、野球への取り組み、意識の高さです。二人とも常に高い意識を持って練習に取り組んでいたので、それが3年生で結果を出すことにつながったと思います」
また、野球を始めるきっかけにもなった女房役の松本も、川上の高校での活躍に太鼓判を押す。高校では別々の道を歩むためライバルにもなるが、高校でも共に高め合っていきたいと思いを語った。
「成長するたびに球も速くなっていって、中学では変化球も曲がるようになりました。本当にエースという感じがする投手だったので、これからも高め合っていきたいと思います」
川上は現在、「高校1年生から活躍する」ことを目標に掲げて、トレーニングを中心に練習を続けており、またフォームの修正も常に行っているという。けがをしない体作りを第一に考え、焦らずにじっくりと練習に取り組んでいる。
「僕はインステップになり気味なので、今は踏み出しの足が真っ直ぐ出るように意識して練習しています。あまり体が柔らかくないので、インステップになると、どうしてもコントロールが乱れたり、けがをすると思うので修正したいと思っています」
これまで兵庫夢前ヤングが輩出したプロ野球選手は2名。川上の活躍にも期待だ。
(記事:栗崎 祐太朗)
前田 清孝
2023-08-18 at 11:17 AM
焦らず、焦らず、プロ野球に行って下さい~!