目次

[1]背番号の重みに奮起
[2]4番を奪う気持ちで


 敦賀気比(福井)の3番に座り、秋の公式戦では9試合で打率.563、1本塁打、11打点と大当たりだった春山 陽登外野手(2年)。昨夏まではメンバー外だったが、新チームになって大ブレイクを果たした。今春のセンバツでも中心打者としての活躍が期待されている。

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背番号の重みに奮起



春山 陽登(敦賀気比)

 奈良県大和高田市出身の春山は、先に野球を始めていた兄の影響で小学1年生の時に高田イーグルスに入団した。6年生の時には「ダメもとで受けた」という阪神タイガースジュニアのセレクションに合格。当時は智辯和歌山の中谷 仁監督がコーチとして在籍していた。

 阪神ジュニアの中では1番目か2番目に小柄だったという春山は、「みんなデカいやつばかりで、レベルの違いを感じた」と他の選手の実力に圧倒された。それでも懸命に食らいつき、NPB12球団ジュニアトーナメントに貢献。充実した時間を過ごした。

 中学では五條リトルシニアに所属。春山らの学年が1期生だったため、1年生から試合に出場することができた。3年生の春には4番打者として第25回日本リトルシニア全国選抜野球大会で8強入りを果たしている。

 高校では甲子園出場を目指して敦賀気比に進学。しかし、1学年上の大島 正樹外野手の打撃や前川 誠太内野手(広島育成2位)の守備などを見て、「これはちょっと無理やな」と感じたという。実際に2年夏まではベンチに入ることができず、昨年の甲子園もスタンドでチームメイトを応援していた。

 そんな中で、旧チームから主力選手として活躍していたのが同級生の上加世田 頼希投手(2年)。自分より先に甲子園でプレーする同級生を応援する気持ちを持ちながらも、「嫉妬の気持ちや悔しさはずっとありました」と様々な感情を抱えながら試合を見つめていた。

 新チームになると、持ち味の打撃をアピールしてレギュラーに定着。初めて背番号を貰った時には、「これが背番号かと自覚が芽生えてきました」とその重みを感じたという。秋の大会は3番打者として活躍。北信越大会では打率5割、1本塁打、5打点と中心打者としての役割を果たし、優勝に大きく貢献した。

 「チームのためにという気持ちでずっとやってきていて、その結果が5割という形になったと思います」と北信越大会の活躍を振り返る春山。「一本一本大事にしていけよ」という東哲平監督のアドバイスを受け、練習から1球への集中力を高めてきたのも好成績に繋がった。また、打撃の面で成長したところに関しては次のように話した。

 「バッティングの間が良くなったと思います。国本(開)コーチにマンツーマンで教えていただいて、そういうことが成果に出たと思います」

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