チャンスをもらえるようにアピール



最近のノート

 八王子ボーイズでの練習を経て、硬式球に十分慣れた吉村は「自信はなかったですが、スタートラインには立てたと思っています」と中学時代に懸念していた課題はクリアになっていた。

 次は試合に出場することだ。当初の予定では秋季大会でベンチ、試合出場のチャンスと捉え、当時の3年生がいる間は、「自分の技術を磨こう」と心に決めていた。

 しかし、スポーツ推薦で入学してくる仲間たちが多く、何かしなければプレーでアピールするどころか、監督に覚えてもらうこともできない。ふとした時に使ってもらえるようにするには、何かやらなければならなかった。

 そこで「頭に焼き付ける行動をしていきました」と、ダイヤモンドの外、グラウンドの外での行動を大事にしてきた。

「とにかく監督の近くにいようと思って、ノックの時にはボール渡しをしていました。あとは試合の際、監督室の近くにアナウンス室や記録室があったので、積極的に仕事をやって、まずは覚えてもらおうとしました」

 中等部の軟式からベンチに入るのは2人ほど。それだけ周りに比べると見劣りする立ち位置からスタートしたからこそ、「日常生活からアピールは始まっている」と言い聞かせ、些細なところからアピールしてきた。

 すべては自身が目指す、「エースで全国制覇」のために。チャンスをもらってから頑張るのではなく、チャンスをもらえるように頑張る。当時は「同じ失敗を繰り返さない」と定性面を中心に目標を立て、淡々とベンチ入りに向けてグラウンドの中でも外でも監督へ必死のアピールを続けた。

 すると、武器だった制球力の高さで徐々に登板機会を増やしていき、2年生春ごろにはベンチ入りの当落線上まで浮上。そして「想定よりも早かった」と驚きもあったベンチ入りが2年生の夏にやってきた。

(取材:編集部)


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