目次

[1]自身の夏の終りから進化を見せた打撃理論
[2]良いイメージで打席に入る

 今年のドラフトで高校生No.1野手として評価が高いのが、日本ハムから2位指名を受けた有薗 直輝内野手(千葉学芸)だった。185センチ、97キロという全ドラフト候補の中でも突き抜けた体格。高校通算70本塁打の長打力、最速148キロの速球を投げ込むという圧倒的な強肩。動作も機敏で、野球選手として必要なポテンシャルが全て備わった逸材だ。

 そんな有薗のラストサマーに迫り、夏の大会後からさらに進化している姿が見られたのでその点についても紹介をしたい。


自身の夏の終りから進化を見せた打撃理論



有薗直輝(千葉学芸)の春の打撃フォームとの比較

 昨年末まで45本塁打。今年は約4ヶ月で、通算70本塁打までに到達した。有薗が打てば、チームは一気に勢いづく。夏の千葉大会で相手から徹底マークされ、四球も多かった。そのため、3試合で5四球。8打数4安打を記録したものの、目標としていた甲子園出場は叶わなかった。

「インコースの攻めが多くなってきて、対応できた打席もありましたが打てないこともあったので、プロではそこを課題にしてやっていきたいです」

 そこから有薗は自身の打撃を見直した。夏休み中は野球部にコロナ感染者が出た影響で、自校のグラウンドではなく、自宅での素振りや、小学校時代に在籍していた少年野球チームのグラウンドで練習を行ってきた。

 まず見直したのが、打撃フォームだ。有薗はトップに入った時に二度引きする癖があった。

「これまでは足を上げて、打つときにもう一回腕を上げてスイングをしていましたが今は足を上げてバットも引いてスイングに入ります」

 これは高校野球ドットコム動画チャンネルで配信している有薗の映像を見直すとわかりやすいが、春まではトップをとって、さらにヒッチする動作があった。そのため、ストレートに立ち遅れる癖があった。プロの打者と比較するとロスが見える。それでも、有薗の打撃を振り返ると、好投手と対戦しても、しっかりと合わせて、空振り三振をしない。下半身を使ってタイミングを取ることを意識する有薗は踏み出し足の割れの形ができていた。

 そこに、上半身の動作の無駄をなくし、より対応しやすい形を作った。まだ、実戦で投手と対戦する機会はないが、日本ハムファンは、キャンプ中継で、目にする機会が訪れるだろう。プロのスピードにどこまで対応できるか注目してみたい。

 またティー打撃は普通のティー打撃に加え、6種類のティー打撃を紹介した。

①左手だけのティー
インサイドを触れるように

②右手だけのティー
打った後に押し出す意識で

③足を開いて
外の球を押し込む意識で

④ステップしながらティー
割れを作る意識で

⑤逆手のティー
ヘッドが落ちないように意識する

⑥横から投げてもらって打つティー
軸をブラさない意識で打つ

 木製バットでの打撃練習も1年生の時から行っており、違和感はなく、インサイドアウトのスイングで打つことを心がけるためにもティーバッティングから工夫している。さらに遠心力を生かしたスイングをするために、900グラムで、トップバランスを採用している。取材日のロングティーは柵越えを連発してくれた。

 ティー打撃やバットのこだわりの説明を受けて感じたのは、以前よりも動作を具体的に説明できていることだ。夏の大会が終わって、しっかりと自分の打撃に向き合って、練習を行っているのがよく分かる。

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