目次

[1]父との二人三脚で打撃土台を作る
[2]プロになるために鹿児島から東京へ

 運命のドラフト会議がまもなくと迫ってきた。プロ志望届を提出したすべての選手が思い思いに吉報を待っている。西東京の名門・国士舘の強打者として活躍した清水 武蔵もその中の1人である。

 高校通算22本塁打という長打力と、逆方向にも長打を打てるスラッガーとして1年生夏からベンチ入り。2020年甲子園交流試合にも出場し、プロからの調査書や入団テストなども呼ばれるほどの実力の持ち主だ。

 今回は、そんな清水 武蔵のインタビュー、後編をお届けする。


一冬超えて磨きのかかったバッティング


 2年生夏までの疲労や、注目打者として厳しいマークにあい、清水は思うようにバットが振れない。「逆打ちの技術があったおかげ」でヒットこそ出せたが、納得できるスイングができない日々が続く。チームも2回戦で、注目左腕・羽田 慎之介擁する八王子に敗れ、3連覇の夢は途絶えた。

 プロになるために鹿児島を飛び出した清水にとって、冬の過ごし方は、大事なポイントになってきた。そこで、冬場は下半身を見直すことで不調を抜け出すきっかけを掴もうとした。

 「大股に開いたりランジ、片足立ちからツイストで打ったりと、チームとしていろんな種類のティーバッティングをする中で、下半身の強さが出てきました。軸もブレなくなりましたし、重心移動を覚えることができました。
 不調時は軸足に残し過ぎたことで、強くバットを振れないし、打球もドライブすることが多かったです。ただ一冬超えて軸をあまりぶらすことなくボールに対して打ちに行けるようになってきて、バットが強く振れるようになってきました」

 下半身が使えれば、逆方向にも強く打球が飛ぶ。「打球が伸びるようになりました」と手ごたえをあったが、新しい感覚が出てきたことも1つ関わっていた。

 「春先くらいからは逆方向に対して、引っ張る感覚が出てきました。
 ポイントを手元まで引き付けて、バットを内側から出していく。それでミートをしてからは引っ張る感じで打ち返す感覚になってきました」

 こうした練習の集大成が発揮されたのが最後の夏、3回戦の東海大菅生戦だった。

 相手は、エース左腕・本田 峻也。独特なインステップで角度のあるボールを投げるサウスポーとして知られる投手で、右打者の清水にとっては嫌な投手だ。その本田から3回の第2打席で、右中間への二塁打で打点をマークした。幼いころから逆方向を意識してきた清水にとって、成果となる一本になった。

 「追い込まれていたところでの一本でしたし、高校野球3年間で一番粘ったなかで、打てたヒットだったと思います」

 清水のなかでも思い出に残る一本だったが、試合には2対4で敗戦。鹿児島からプロを目指して上京した高校野球3年間は3回戦で幕を下ろすことになった。

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