最終学年、自分の打撃に向き合い、評価が急上昇

福永奨(横浜ー國學院大)
高校卒業後、プロにいくか、大学進学なのかで悩んだが、國學院大進学を決めた。
「國學院大の鳥山監督が直接、グラウンドにきていただいて、お話をいただき、国学院のグラウンドもいかせていただきました。プロ野球選手を多く輩出している学校で、自分の実力で物足りなさを感じていたので、多くのことを学べるのではないかと思い進学をさせていただきました」
今ではディフェンス力が高く、なおかつ打力も高い好捕手として注目されている福永だが、3年秋までリーグ通算4安打だった。福永は3年間の反省について振り返る。
「高校入学時と似ていて、自分の居場所を掴むためには、守備で信頼を掴まないといけないと思い、誰よりも投手の球を受けて、守備でもこだわってきました。ただ、自分に余裕がなくて、ずるずるといってしまったのが、昨秋までだと思います」
冬場では打撃強化に着手。大学施設内にあるウエイトルームでみっちりとトレーニングをするなど高校時代とは見違えるほど体つきが変わった。
「プロに行きたいですし、そこに近づくためには打撃を強化したいと思っていました。誰よりも振り込んできて、春のオープン戦では手応えがあって、今までボールの見方、タイミングのとり方が良くなっていて自分のスイングができています」 こうして良くなったのは自分の課題をしっかりと向き合っているところにある。
「打撃練習でも動画をとってもらって、悪いところもみていただきながら、自分と向き合ってきました。それだけでもスローイングの動画も撮影してもらい、そこも見直してきました。大学生に入ってから、自分と向き合う時間が増えてきましたので、何がいけないのかが明確になってきました。日々の練習やオープン戦でも、何が良かったのか、悪かったのかをノートを書きながら、次の日の練習、試合に入っていて、そういう意識でやるとオープン戦でも結果が伴ってきましたので、それはリーグ戦で出していきたい」
その言葉通り、福永は春のリーグ戦で1本塁打15打点をマーク。勝負強い打撃が目を引いた。そしてリーグ戦前にこだわっていたリーグ優勝にも貢献した。秋のリーグ戦でも18打数6安打、1本塁打、5打点としっかりとアピールを見せた。
中学から名門チームで歩んできた福永。多くの人から注目される中で結果を残す難しさを誰よりも味わっていて、そこで結果を残したメンタルの強さもある。さらに試合後の取材での立ち居振る舞いを見ても、幹部候補にふさわしい人物。そういった人間性と確固たるディフェンス。最終学年から伸びてきた打撃力を高く評価して指名する球団もあるのではないか。
ぜひ吉報が届くことを期待したい。
(記事:河嶋 宗一)