近年、躍進著しい神戸弘陵。OBには、山井 大介(中日)、飯田 優也(オリックス)、東 晃平(オリックス育成)と3投手が現役でプレーしている。そして4年ぶりに高卒プロ入りに期待がかかる投手がいる。それが時澤 健斗投手だ。最速148キロのストレートと7種類の変化球を武器にする速球派右腕で、今年の兵庫県で最もプロ入りが近いといわれている。さらにスイッチヒッターの一面もある。

 そんな時澤の進化のターニングポイントに迫る。


4スタンスの確立で球質アップ


 取材したのは7月下旬。まだ夏の兵庫大会を終えたばかりだった。

 神戸弘陵の室内練習場のブルペンに立った時澤の速球は実に威力があった。さらに変化球の精度も素晴らしく、さすがドラフト候補と思わせる内容だった。

 そんな時澤の歩みを振り返る。兵庫県三木市出身。自由が丘中時代は遠投98メートルを武器とする強肩捕手として活躍し、軟式の選抜チームであるメジャー兵庫に選出され、全国大会を経験する。その時、高知選抜に選ばれた森木 大智高知)の投球を球場で見る機会があった。
「ちょうど試合の入れ替わりだったのですが、その凄さを実感しました。また選抜チームにも凄い選手がいて、自分自身、刺激となった大会でした」

 さらに自主練習にも力が入る時澤。
 高校では、自分で考えて、どんどん実行ができる神戸弘陵の練習環境に惹かれて入学を決断した。

 入学当初は捕手だったが、志願する形で投手へ転向。自慢の強肩を活かし、2年生にはストレートも140キロ台に達した。十分に好投手の域に達していたが、時澤自身、投球内容に満足をしていなかった。

 そこでカギとなったのが、廣戸聡一氏が提唱した4スタンス理論だ。トレーナーのアドバイスで、自身の有効的な身体の使い方に気づいた。これは、A1・A2・B1・B2で4つのタイプで分けられ、二刀流の大谷 翔平はB2タイプ、イチローさんはA1タイプだ。

 時澤の場合はA1タイプだった。
 このタイプはあらゆる動作を無意識のうちに手足の指先かつ、内側でバランスをとる。今まで時澤の場合、軸足に体重を乗せて投げることを意識していたようだが、踏み出す足に力を溜める意識で投げることができるようになった。これによって、以前と比べて違うストレートが投げられる手応えがあった。
「同じ140キロでも明らかに違う手応えはありました。伸びのあるストレートを投げられるようになったと思います」

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