Interview

日本代表2度経験に中学通算12発!九州屈指の強打の捕手・栗山大成(熊本中央ボーイズ)

2021.04.20

 「熊本中央の栗山くん、めちゃめちゃ打っとるよ」

 昨秋頃から、九州地区の中学野球関係者から熊本中央ボーイズの栗山大成選手の名前を頻繁に耳にするようになった。
 小学校6年時には侍ジャパンU-12日本代表に選出され、中学1年時にもカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会日本代表に選出。代表チームではいずれも主将を務めており、小学校時代から実績を積んでいたスラッガーが中学野球でもいよいよ本格化してきた。

目標は筒香嘉智選手のようにホームランを打つこと

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春季全国大会でタイムリーを放った栗山大成(熊本中央ボーイズ)

 中学通算12本塁打の長打力が一番の魅力であるが、飛ばすだけではなく正確にミートする技術も栗山選手の持ち味だ。コースに逆らわず広角に強い打球を飛ばしていき、緩い変化球の揺さぶりにもしっかりとついていく。

 西武ライオンズや南海ホークスでプレーした大津一洋監督の下で、自慢の打撃技術にさらに磨きをかけてきた。

 「体をもっと大きくして、スイングももっと速くなるようにしたいと思っています。キャッチャーとしてもスローイングやストッピングなど課題はまだまだあるので、もっとレベルを上げて高校野球に入っていければと思います。目標は筒香嘉智選手(レイズ・横浜高出身)のような、力強いスイングでホームランが打てる選手になることです」

 侍ジャパンU-12日本代表に選出されるなど、小学校時代から実績を積んでいた栗山選手。熊本中央ボーイズに入団当初から周りよりも体は大きかったが、学年が上がるごとに技術も伴ってきた。プロの世界を経験した大津監督も、ここまでの成長には手応えを掴んでおり、中学野球残り1年間での更なる成長に期待する。

 「中学1年の段階で、周りよりも強く振ることができていました。長打を打てることが彼の持ち味ですが、本塁打だけでなく状況に応じた打撃もできます。最初は少しぽっちゃりした体格でしたが、だんだん体が絞れてきて、速いとまでは言いませんが足も使えるようになりました」

 また捕手としても、年々成長を見せている。
 強肩が持ち味の栗山選手だが、投手とのコミュニケーションや野手への指示など「司令塔」としての役割も徐々に身についてきた。大津監督は、捕手としての成長にも期待を口にする。

 「あとはピッチャーのリードやストッピングですね。高校になると球威も変わってくるので、もっともっとレベルを上げてくれればと考えています」

[page_break:春に果たせなかった全国制覇を夏に]

春に果たせなかった全国制覇を夏に

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栗山大成(熊本中央ボーイズ)

 3月に出場した春季全国大会では、初戦の岐阜青山ボーイズ戦で最終回に6点を奪われ悔しい逆転負けを喫した。チームでは主将も務める栗山選手は、タイムリー1本を含む2安打を放ち「自分のスイングはできました」と前を向くが、チームとして多くの課題が浮き彫りとなった。目標である全国制覇を果たすために、試合後にはさらなるレベルアップを誓った。

 「初めての全国大会でみんな緊張しているのかなと思いましたが、思っていたほど緊張はなくプレー出来ていました。一死一、二塁のチャンスから得点を挙げることができていないので、チームとしても個人としてもチャンスで1本が出るようにしたいと思います」

 熊本中央ボーイズからは、昨年のドラフト会議ではOBの桑原秀侍投手(神村学園出身)が福岡ソフトバンクホークスに育成3位指名を受けてプロ入りし、また横浜高で活躍した津田啓史選手も現在、三菱重工Eastで奮闘中と各地でOBが活躍を見せている。
 大津監督は、栗山選手にも彼らに続く活躍を見せて欲しいと大きな期待を寄せる。

 「これからまた体格も変わってくると思いますし、打撃に終わりはありません。桑原や津田の他にも良い先輩はたくさんいるので、彼らに追いつけ追い越せで高校でも頑張って欲しいと思っています」

 もちろん栗山選手自身も、偉大な先輩たちに続く活躍を見せたいと強く意気込む。桑原選手がプロ入りしたことで、よりプロへの憧れが強くなったことを明かし、まずは最後の夏に向けて全力で取り組むことを誓った。

 「将来はプロ野球選手になることです。ですが、まずは夏に向けてもう一度イチから練習して、春に果たせなかった全国制覇を夏には果たしたいと思います」

 春の悔しさをバネに、ここからどんな成長を見せるのか。九州屈指の「打てる捕手」からまだまだ目が離せない。

(記事=栗崎祐太朗

◆栗山大成(くりやま・たいせい)
熊本県熊本市出身・2006年5月22日生まれ。小学1年から熊本中央レッドスターズで本格的に野球を始め、小学6年時にU-12日本代表に選出。熊本中央ボーイズでも、1年時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会日本代表に選出され捕手として活躍する。2度の日本代表チームでは、いずれも主将も務めた。
熊本中央ボーイズでは1年秋から4番に座り、ここまで中学通算12本塁打。捕手としても堅実なプレーを見せる。
身長173センチ、体重74キロ。好きな食べ物はオムライス。右投げ左打ち。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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