目次

[1]不調の原因をなぜ下半身と突き止めたのか?
[2]常に100点満点を追い求め、90点では喜ばない

 小園 健太市立和歌山)、畔柳 亨丞中京大中京)と並び、選抜甲子園大会でビッグ4として大きな注目を浴びる大阪桐蔭関戸 康介。明徳義塾中時代から騒がれた大器は、昨夏の大阪府独自大会では154キロを叩きだし、周囲の度肝を抜いた。

 しかし、昨秋は4試合7イニングにとどまり、150キロ級の速球は影を潜めた。3月3日の合同取材日で関戸は、この冬、心身共に充実したトレーニングを積めたことを口にする。

 事実、解禁明けの練習試合では剛速球を披露し、順調な仕上がりを見せている。

 関戸本人と石田寿也コーチに歩んできた「復活のプロセス」に迫る。

不調の原因をなぜ下半身と突き止めたのか?



石田コーチに見守られながら投球練習を行う関戸康介(大阪桐蔭)

 不安を吹き飛ばすようなボールを投げ込み、注目度がひしひしと高まっている関戸。

 振り返れば、半年前の近畿大会決勝・智辯学園戦では3イニングを投げて被安打3、1四死球、2失点と本調子とはほど遠い状態だった。

 その中で大きな課題として浮かび上がったのは制球力。試合の中でもボールのバラつきが目立ち、この冬は原因である下半身の強化を中心にトレーニングを積んできた。

 「秋は全く投げる機会がなく悔しい思いをして、それはもう自分の実力不足ですが、この冬はゼロから(フォームについて)石田先生と話してきました。
 中でも一番は下半身の弱さだと思います。右足のアクセルの強さに対して、ブレーキとなる左足の受け止める力が弱いので、左足の強化を中心に下半身を安定させることを目指してきました。片足だけのスクワットであったり、特別変わったメニューではありませんが左足にフォーカスを当てたトレーニングをやりました」

 関戸の投球フォームは、左足を高々を上げた後、軸足である右足をプレートに強く押さえつけた後、鋭く蹴り上げ、その勢いを生かして真上から振り下ろす投球フォームだ。178センチと現代の投手としては決して大きくないが、並外れた強肩を生かす身体操作性を持ったことによって、150キロ超えの速球を投げ込んできた。

 しかし昨秋は股関節を痛めた影響で、柔軟性を活かすための筋力の強さがなく、フォームの乱れにつながり、不調の原因となった。

 この冬は怪我の防止、下半身の安定、フォームの再現性、様々な目的を持って下半身の強化を行ってきた。

 「体の状態は良い形で上がってきていると思います。紅白戦でも投げてきましたが、あとは実戦でどれだけ甲子園までに感覚を掴めるかだと思います」

 紅白戦では150キロを計測し、復活のプロセスは順調に歩めている。

 こうした原因を突き止め、修正作業を行い、レベルアップできるのは関戸のある一面が支えている。