Interview

大躍進の立役者・坂本安司(大崎)は聖地で140キロ越え目指す

2021.03.07

 昨年の秋季九州大会で大躍進を果たした大崎高校。エースとしてチームを牽引したのが、坂本 安司だ。176センチ・76キロ、最速は139キロであるが、しっかりとスピンの利いた直球にカットボールやチェンジアップを交える安定感のある投球が持ち味だ。

 佐世保市立日野中時代には、全国中学校大会の2回戦で森木 大智とも対戦。結果は0対2で敗れたが、接戦を演じたこと大きな自信をつけた。そんな坂本が新鋭とも言える大崎に進み、九州屈指の好投手に成長するまでにどんな道のりがあったのか。また、選抜甲子園に向けた思いにも迫った。

ここまでの成長はフォーム修正が大きかった

大躍進の立役者・坂本安司(大崎)は聖地で140キロ越え目指す | 高校野球ドットコム坂本 安司(大崎)

 「一つ上の代で良い選手が集まっているとことは知っていたので、そこで清水監督の指導があれば甲子園に行けるかなと思い決めました」

 大崎への進学理由を照れくさそうに口にする坂本。

 中学時代に出場した全国中学校大会では132キロを記録し、高校入学後も地道に実力をつけて球速は140キロ目前。球速だけではない、完成度の高い投球からも好投手として注目を浴びているが、清水監督の指導無しではここまでの成長は無かったと断言する。

 「入学した時から、清水監督は指導が上手な監督さんだなと思いました。
一番言われたことはお尻から体重移動していくことで、これができるようになったことで球速もコントロールも良くなりました。ここまでは体が大きくなったというより、フォームが良くなったことが大きいと思います」

 実は坂本の代の学年(新3年生)は部員が10名と少なく、清水監督曰く「谷間の世代」であった。新2年生が実力者揃いだったことも大きかったが、それ以上に坂本をはじめ新3年生の選手たちの夏からの成長が何よりも大きかった。

 坂本は夏からの成長に手応えがあったことを明かす。

 「県内ではそれなりに戦える自信はありました。さすがに九州大会優勝までいけるとは思いませんでしたが、1年生はけっこう部員が入ってきて、自分たち2年生も伸びてきたことでチームとしてレベルが上がったのかなと思います」

[page_break:この冬は球威向上に努めた]

この冬は球威向上に努めた

大躍進の立役者・坂本安司(大崎)は聖地で140キロ越え目指す | 高校野球ドットコム坂本 安司(大崎)

 秋季大会は大きな躍進を果たしたが、もちろん現状に満足はしていない。直球と変化球のコンビネーションやコーナーへの制球力を武器に秋は勝ち上がっていったが、春以降からは球威も大事になってくる。まずは140キロ越えを目標に掲げ、球威向上のためのトレーニングにこの冬は取り組んだ。

 「ピッチングでは普通の硬式球よりも重いボールと軽いボールがあり、まず重いボールを投げてから軽いボールを投げる、そして最後に普通のボールを投げるのですが、この練習を行うことで球が速くなると監督は仰っていました。またタイヤ押しや丸太を持ったトレーニングもあり、下半身を強化してきました。

 2年生で140キロはいきたかったのですが、あと一つ届かなかったのでそこは成長できなかった部分かなと。この冬で球速も上がったと思うので成長した姿を甲子園で見せたいです」

 2月23日の抽選会では、九州大会決勝の再戦となる福岡大大濠との初戦が決まったが、変に相手を意識することはない。目の前の練習を黙々とこなすことに集中し、選抜甲子園に向けて調整を進めている。

 まずは初戦、坂本はこれまで培ってきた制球力とこの冬に磨いた球威を武器に戦っていきたいと意気込みを語った。

 「チームを勝たせるためにはテンポであったり、コントロールをしっかりやるというところが大事になると思いますが、この冬で成長した真っ直ぐもしっかり使えるようにして、チームを勝たせられるようなピッチングをしたいと思います」

 中学3年以来となる全国大会の舞台でどんな投球を見せるのか。初戦の福岡大大濠戦が今からとても楽しみだ。

(記事=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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