第1296回 下町の143キロ右腕・床枝魁斗(修徳)。早実戦で出た脆さを冬に克服できるか2020年12月27日

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【目次】
[1]修徳で身についた「考えて投球する」こと
[2]味方のミスにも崩れない勝てる投手に


 東海大菅生が優勝を飾った秋季東京都大会。今年は市川 祐関東一)に本田 峻也東海大菅生)、羽田 慎之介八王子)や秋山 正雲(二松学舎大附)など好投手が目白押しの大会となったが、彼らにも引けを取らぬポテンシャルを見せたのが修徳の床枝 魁斗(2年)だ。

 179センチ・84キロのガッチリとした体格から、最速143キロの直球を投げ込む床枝。スライダーやカーブなどの変化球の精度も高く、真上から投げ下ろす角度は出色。2013年夏以降、遠ざかる甲子園へ期待を持たせる本格派右腕だ。秋季東京都大会では1回戦で早稲田実業に敗れたが、春以降の飛躍に向けて床枝はどんなオフシーズンを過ごしているのだろうか。

修徳で身についた「考えて投球する」こと



床枝魁斗(修徳)

 兄の影響で小学校入学前から野球を始めたという床枝。リトルリーグの中野リトルに入団し、投手は小学校5年頃から始めた。元々肩には自信があり、小学校6年時には全国大会で3位の実績を残すなど活躍を見せたが、中学に上がり練馬北シニアに入団すると投手としての出場機会は減り、外野手として出場することが多くなる。

 修徳の荒井高志監督によると「チームの方からは、中学野球で距離が伸びたことでフォームのバランスを崩してしまったと聞きました。もちろん体が成長期だったこともあると思います」と明かし、中学時代は決して大きな実績を残してるわけではなかった。

 だが当の床枝本人は投手が出来なかったことに関して、それほど深く考えていなかったという。
 「中学校時代までは何も考えずに野球をやっていて、投手をやっていたのもただ行けと言われたからやっていました。マウンドでも何も考えずに、良いボールを投げているのかどうかも深く考えていなくて、外野になったときも何でだろうくらいの感じで。深く考えるという考えがなかったです」

 良く言えばポジティブ、悪く言えば物事を深く考える習慣がなかった床枝。だがその欠点も、修徳入学後から少しずつ改善されていくことになる。
 中学野球では投手としての登板は少なかったが、その間に体はどんどん大きくなり、高校入学時には176センチ・79キロにまで成長していた。球速も125キロを記録するまでになり、高校野球では再度投手に挑戦することに決めた。

 入学してまず床枝が取り組んだのが肉体の強化だった。
 「6月くらいまでは、ブルペンに入らずずっと体作りやトレーニングという感じでした。柔軟性も重視されて、開脚前屈で頭を付けるまでにならないとブルペンに入れないよと言われて、練習についていくだけで精一杯でしたね」

 この期間の体作りは効果てきめんだった。6月にようやくブルペン入りが解禁されるといきなり137キロを記録。また山本将太郎コーチ指導の下、牽制やバント処理といった投球以外のスキルも基礎から身に付けていき、また「打者を見ながら投げる」ことも教わった。
 これまでは何も考えずただボールを投げるだけだったが、打者の反応やランナーの反応を見ること、一球一球に意図を持ってボールを投げることを学び、弱点であった「考えること」を習慣にしていった。

 「ただ投げるだけの投球だったのが、いかにして相手を抑えるか考えるようになったと思います。まだまだの部分も多くありますが、ブルペンの時から打者を観察したり、バッターやランナーの動きを観察しながら投げるようになったと思います」

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