代表で得た経験をチームに還元



前田 悠伍(湖北ボーイズ)

 中学では兄も所属していた湖北ボーイズに入団。入団前は「みんな楽しそうに野球をやっている」というイメージを抱いていたが、それは3年間崩れることなく、ノビノビとプレーできる環境で成長を続けてきた。

 1年生の時にはカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会の日本代表に選出される。「全国から選手が集まってきたので、プレッシャーもありました」とかつてない重圧を感じたそうだ。その中でも力を発揮し、日本代表は3連覇を達成。「気持ちが楽になったというか、素直にメッチャ嬉しかったです」と仲間と喜びを分かち合った。

 前田にとって印象に残っている試合は決勝トーナメント・インターナショナル決勝戦の韓国戦。この試合に先発した前田は5回を投げて、1安打無失点の快投を見せた。「内野手のみんなに声をかけてもらったりして、楽しく投げられたので、そこが一番大きかったと思います」と好投の要因を振り返る。

 湖北ボーイズに戻ってからは代表の内野手が自分にどんな声掛けをしていたかをチームメイトに伝えたという。国際大会の経験を自分だけでなく、自チームにも還元しようとする姿は野球人として高く評価できる要素だ。

 その一方で、周囲からのプレッシャーも感じるようになった。日本代表に選ばれた投手として名が知られたことで、「変なピッチングをしたら『こんなもんか』と思われてしまう」とより自分に結果を求めるようになる。だが、それが重荷になることはなく、順調に成長を続けてきた。

 中学野球最後の年はコロナ禍で大会の中止が相次ぎ、練習も思うようにできない日が続く。休校期間中は1日4時間の体幹トレーニングを行い、体作りに力を入れてきた。「ブルペンで投げてみて休校前よりは球が速くなっていて、キレも良くなっていました。みんなからも『体がゴツくなった』と言われたので、良かったです」と効果を実感。全体練習ができない中でも力を伸ばすことに成功した。

 今年は全国規模の大会に出場できず、悔しさを味わったが、第21回大津びわこ大会で準優勝、第31回滋賀大会で優勝、衣笠祥雄旗争奪第2回全京滋中学硬式野球大会で準優勝と立て続けに好成績を残して引退。「最高の終わり方ができたと思います」と納得のいく形で中学野球を終えることができた。

 現在は高校入学に向けてトレーニングを続けている。「まだ下半身が弱いので、冬の練習でしっかり鍛えて、体力もしっかりつけていきたいです」と課題を持ちながら土台を作っている最中だ。

 目標としている投手は湖北ボーイズの先輩である横川だ。2年前に巨人からドラフト4位で指名された時は自分のことのように喜んだという。

 昨年末には帰省した横川と対面する機会があった。「全然、自分のレベルと違うので、やはり凄いなと思ったし、自分もこれくらいのレベルにならないといけないと思いました」とプロの実力を目の当たりにし、目標が明確になった。

 さらに横川からは自分のペースで投げることとフィールディングの重要性を学んだという。大先輩からの教えを胸に新たなステージでも結果を残すつもりだ。

 「高校3年間でしっかり体作りを頑張って、3年後にプロに行けるように頑張りたいと思います」と今後の意気込みを語る前田。世代屈指の左腕は高校でどんな活躍を見せてくれるだろうか。

(記事=馬場 遼)


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