関東地区の中学野球で、大きな可能性を持った大型右腕として注目を集めているのが上尾シニアのハッブス大起(たいき)投手だ。アメリカ人の父を持つハッブス投手は、身長185センチ、体重80キロの中学生離れした体格から最速142キロの直球を投げ込み、また打者としても中学通算12本塁打を放つなど投打で高い能力を見せる。

「高校卒業までに155キロを出したい」と笑顔で語るハッブス投手の、これまでの成長や将来の目標を伺った。

ヤクルトジュニアでは河端コーチに投球のいろはを学ぶ


 小学校4年生の夏に、兄の影響で野球を始めたハッブス投手。元々はサッカー少年だったが、股関節を怪我してサッカーが出来なかった時にたまたま兄の野球の試合を観戦したことで野球への興味が沸き上がってきたという。その後、兄と同じ少年野球チーム・白鳩ジュニアーズに入団して、そこからどんどん野球に惹かれていった。

 小学校5年生からは投手の練習もスタートし、「思い切り腕を振る感覚を掴んだ」という秋頃からは球速も右肩上がりに伸びていった。小学校6年時には身長はすでに175センチにも達しており、ヤクルトスワローズジュニアのメンバーにも選出。NPBジュニアトーナメントでは迫力満点のボールを投げ込み、また明るいキャラクターからキャプテンにも選ばれた。

 「キャプテンは選手たちで話し合って決めたのですが、僕の明るく盛り上げるキャラクターが良かったのか、みんなが『ハッブスだろ』と言ってくれて。『俺でいいなら!』という感じで決まりました」

 スワローズジュニアでは、ヤクルトスワローズで10年間の現役生活を送った河端龍コーチから投手としての基礎を学んだ。特に配球に関する話は知らないことばかりで、非常に勉強になったとハッブス投手は振り返る。

 「河端コーチの指導は、とても基本に忠実でわかりやすかったです。配球に関する学習では、何がピッチャーカウントで何がバッターカウントなのかを教えていただき、頭を使って投球することを学びました」

 ヤクルトスワローズジュニアで大きな経験を積んだハッブス投手は、小学校を卒業後は兄が所属した上尾シニアへ入団する。チームを率いる溝口勝久監督とも小学校時代から面識があり、練習で鍛えられる兄の姿も普段から見ていた。「ここなら大きく成長できそうだ」と意気込んで入団したという。

 だが、すでに178センチまで身長が伸びていたハッブス投手。身長に対してまだ筋肉の成長が追いついておらず、投球フォームも下半身を使った投球が出来ていなかった。

 怪我の防止やクセの無い投球フォームを作る目的から、溝口監督は2年生までは体作りとシャドーピッチング中心のフォーム作りに専念させて、試合での登板も極力控える方針を決めた。

 「入団したときは正直ノーコンでしたが、幸いにもフォームを大胆に変えなくてはいけない変な癖はありませんでした。私が指導することが出来るのは(練習日の)土日だけですので、とにかくここでは変な癖はつけさせず、残りは高校に入ってやってもらおうと思いました」