今年の花咲徳栄の投手陣は140キロ超えがベンチ入りだけで3人。またベンチに入っていない投手が多くいる。そんな中、背番号1を背負ったのが高安 悠斗だ。右スリークォーターから最速143キロの速球と切れのあるスライダーで翻弄する右の本格派だ。そんな高安の歩みに迫っていきたい。

名門・東京城南ボーイズ出身 兄も花咲徳栄OB


 高安は東京城南ボーイズ出身。高校通算40本塁打の吉野 創士昌平)や、最速147キロ左腕・金井 慎之介横浜)、関東を代表する遊撃手・三輪 拓未常総学院)とエリートたちとプレーし、高安は金井とともにダブルエースとして活躍し、金井とは甲子園に出場し、互いに投げ合うことも夢見た存在だ。

 そんな高安が花咲徳栄に進むきっかけは兄・翔斗さんが投手として花咲徳栄に在籍していたことがきっかけだった。兄も小学校時代はベイスターズジュニアに選ばれたほどの実力者だった。兄に続き、花咲徳栄の門を叩いた高安は岩井監督のススメで、スリークォーター気味の腕の振りに修正。「リリースの瞬間まで脱力し、一気に力を入れる感覚」がはまって、入学当時の138キロから5キロアップの最速143キロまで伸び、制球力を高めていった。今年は140キロ超えの投手が花咲徳栄には多くいるが、制球力や変化球の切れ味には誰よりも自信を持つ。

 そして中心投手となった2年秋は140キロ前後の快速球を投げ込み、選抜を狙った。しかし準々決勝で細田学園に敗退。「自分の実力の至らなさを痛感しました」と振り返る。

 大会が終わり、投手陣は岩井監督からスピードアップを厳命されている。高安は「球速アップのために上半身をトレーニングする時間帯を増やしたり、さらにそれがない日は下半身中心のトレーニングをしたりと、トレーニングする頻度が増えてきました」

 またストレート以外でも横のスライダーに加え、縦スライダーも磨き、右打者にもしっかりと投げる制球力を身に着けてきた。

 大会後の練習試合のテーマとしては普段の練習で球速を高めるトレーニングを行いながら、投球術を磨くこと。11月1日には今秋の福島王者の東日本国際大昌平相手に5回無失点の好投を見せた。

 「相手が強いということで自分の球速、コントロールはどこまで通用するか試していました。秋の時点より球の質も上がっている感じはありましたので、うまく抑えられてよかったです」と手ごたえを感じていた。

 目指すは夏までに150キロに到達。スピードがすべてではないが、岩井監督から現状の球威では埼玉のライバル相手に圧倒した投球はできないと常々言われている。そして打倒・昌平だ。

「中学時代のチームメイトの吉野がいる昌平を倒さないと、甲子園はないですし、ライバルを倒せる実力をつけて甲子園に行きたいです」

 ライバルを圧倒する実力を身に着け、目指すは初の甲子園のマウンドだ。

(記事=河嶋 宗一



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