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第1272回 目指すは甲子園で勝つこと。智辯学園エース左腕・西村王雅の武器は巧みな駆け引き2020年11月14日
二度目の甲子園で好投。今度はより多くの勝利を導ける投手に

西村王雅(智辯学園) ※写真は秋季近畿大会より
甲子園交流試合は1試合限定。3年生とやれるのは最後になる。相手は甲子園が開催されていれば優勝候補として期待されていた中京大中京だ。いきなり初回に味方のエラーなどもあり3点を先制され、苦しい立ち上がりとなる。
「相手は優勝候補といわれる中京大中京さんですし、たしかにエラーはありましたけど、『しゃあない』と思っていました。自分の気持ちが切れていたら、ずるずるいってしまうので、2回以降から気持ちを切り替えていきました」
2回以降は落ち着きを取り戻し、無失点投球。そして4回裏には高橋から適時打を放ち、同点に持ち込む。
「3年生と一緒にプレーできる最後の甲子園でしたので、かなり緊張はしたんですけど、本当に速かった高橋さんからタイムリーを打つことができて落ち着くことはできたかなと思っています」
試合は延長までもつれる試合となり、延長10回裏にサヨナラ負けを喫したが、巨人3位指名の中山 礼都、早稲田大進学の印出 太一を1安打ずつに抑え、終盤以降は完全に抑え込むなど実力はしっかりとアピールに成功した。
甲子園後は制球力を高めることと伸びのあるストレートを投げることをテーマに練習に取り組んできた。
そして秋から正捕手となった植垣洸とコミュニケーションをとりながら、勝てるための投球術を考えてきた。打者の動きを見て投球ができる西村は捕手のサインに首を振りながら最善の投球を心がけてきた。
大会前の決意として、「近畿を勝ち抜いて、選抜を目指していきたい」と意気込んだ西村は粘り強い投球を続け、近畿大会に出場。1回戦、準々決勝では完投勝利を収め、そして決勝の大阪桐蔭戦では3失点完投勝利を挙げた。
開催されれば、来春の選抜で3度目の甲子園のマウンドとなる。この舞台で2年生のときよりも成長した姿を見せるつもりだ。
(記事=河嶋 宗一)